Su-37 (航空機・初代)

Su-37：ソ連の夢が生んだ戦闘攻撃機

Su-37（スホーイ37）は、ソビエト連邦の航空機メーカー・スホーイによって計画された戦闘攻撃機です。この機体は、S-37（エース・トリーッツァチ・スィェーミ）とも呼ばれ、NATOでは「フラウンダー」というコードネームで知られています。しかし、Su-37は実機の製作が行われることなく、計画のみで終わってしまいました。

開発の背景と目的

Su-37は、ソ連の空軍が求める攻撃機の後継機として開発されました。通常の戦闘機や攻撃機には、Su-24、Su-25、MiG-27、MiG-29などがありましたが、Su-37はこれらの機体の性能を凌駕することを目指して計画されました。特に、LFI（Light Frontline Fighter）計画の一環として、より高性能で多用途な機体を開発することが目指されていたのです。

しかし、経済的な問題や政治情勢の変化に伴い、計画は1991年8月19日に中止されてしまいました。このため、Su-37は夢の中の存在となり、空を飛ぶことはありませんでした。

スペックの概要

Su-37の設計において設定されたスペックは以下の通りです。

• - 全長：17.5メートル
• - 全幅：11.8メートル
• - 全高：5.7メートル
• - 翼面積：50.0平方メートル
• - 空虚重量：12,500キログラム
• - 最大離陸重量：25,000キログラム
• - 最大速度：マッハ2.0
• - 実用上昇限度：17,000メートル
• - 燃料搭載量：8,300キログラム
• - 最大行動半径：1,500キロメートル
• - エンジン：ソユーズ製ターボファンエンジン R-79またはリューリカ＝サトゥールン製 AL-41F（どちらも高い推力を持つ）

機体の特長

Su-37は、特にその性能において注目される機体でした。空中戦における高い機動性と攻撃力を兼ね備えた設計が特徴であり、優れた運動性能を持つとされていました。

また、固定武装には30mmの機関砲が搭載されることが計画されており、対地攻撃や空対空戦闘においても高い能力を発揮することが期待されていました。ただし、実際に製造されることはなかったため、その真価を確認することは困難です。

結論

Su-37は、汎用性のある攻撃機としての可能性を秘めた設計ではありましたが、経済的・政治的な理由から実現せずに終わりました。航空機の開発においては、多くの困難が伴うことを示す一例とも言えるでしょう。今後も、Su-37のような夢の機体が実現されることを願ってやみません。

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