Su-5 (航空機)

Su-5 について

Su-5（スホーイ5、ロシア語:Су-5）は、第二次世界大戦の終息期から戦後にかけてソ連のスホーイ設計局によって試作された戦闘機です。この機体は、プロペラとモータージェットという2種類の推進方式を組み合わせた混合動力機であり、特にI-107（И-107）という名称でも知られています。

開発の背景

1940年代中頃、ナチス・ドイツは初のターボジェット戦闘機であるMe 262を実戦に投入しました。ソ連はこの新型機に対抗するため、高速かつ高性能な戦闘機を急速に開発する必要に迫られました。当時、ソ連にはすぐに量産可能なターボジェットは存在せず、開発者たちはプロペラを主要な推進力とし、必要に応じてジェットエンジンやロケットで加速する設計の混合動力機に注目しました。

Su-5の設計

Su-5は1944年にMiG-13と共に設計が進められ、1945年4月6日に初飛行を果たしました。その後、主翼の形状を変更する改修を行った結果、高度約4,350mでモータージェットを作動させ、最高速度793km/hを達成しました。

しかし、1945年6月15日、搭載していたクリーモフVK-107エンジンが飛行中に重大な損傷を受け、以降のテストは新しいエンジンで続けられましたが、10月18日にはそのエンジンも耐用限界に達しました。この時点で新しいエンジンの用意はされず、Su-5の開発計画は打ち切られてしまいました。結局、MiG-13が混合動力機として制式化され、Su-5は試作機のまま歴史の中に消えていくこととなりました。

スペック

Su-5の基本的なスペックは以下の通りです。全長は8.51メートル、全幅は10.56メートル、高さは3.53メートル、翼面積は17平方メートルを誇ります。空虚重量は2,954キログラム、最大離陸重量は3,804キログラムです。また、計画された最大速度は810km/hであり、高度7,800メートルでの性能が期待されていました。この機体はクリーモフVK-107R液冷V型12気筒エンジンと、ハルシチョフニコス加速装置（VRDK）というモータージェットを一基ずつ搭載しています。

性能指標

特筆すべきは、航続距離600km、実用上昇限度12,000m、上昇力5,000mを5.7分で達成可能な点です。翼面荷重は224kg/m²、外部特性として0.323kW/kgの馬力荷重を持ち、1名の乗員を乗せる設計がなされています。武装としては、NS-23 23mm機関砲とUB 12.7mm機関銃が共に搭載されており、戦闘能力にも配慮されています。

まとめ

Su-5は、新しい技術への挑戦と戦争の急速な変化に直面した時代背景の中で誕生した機体です。その結果、実戦配備には至らなかったものの、歯ごたえのある性能と多様な推進方式を持った戦闘機として、航空機設計の歴史に名を刻む存在となりました。また、関連する機体としてMiG-13があることも追記しておきます。

もう一度検索