Su-7 (航空機)

スホーイ7（Su-7）

Su-7（スホーイ7）は、ソ連のスホーイ設計局により開発された後退翼を持つターボジェット機です。この機体は、NATOによって「フィッター」と呼ばれ、冷戦時代における航空戦力の一部として主要な役割を果たしました。

開発の背景

Su-7の開発は、1950年代中頃に開始されました。当初の目的は、MiG-21Fのような小型の前線戦闘機に対抗するための大型戦闘機としての機能を持つことでした。1955年に初飛行を果たし、その後、さまざまな改良が施された複数の型が生産されました。

初期型のSu-7から、戦闘爆撃機としての運用を意識したSu-7Bへの移行が見られました。Su-7BはさらにSu-7BMや最終型のSu-7BKLといった派生型へと続き、輸出用にはSu-7BMKが開発されました。また、複座型も複数生産され、訓練目的の機体としても活用されました。

運用と配備

Su-7は、特にポーランドやチェコスロバキア、インド空軍において広く運用されました。ポーランド空軍では、当時のソビエト空軍と同様にSu-7BKLを使用しており、雪上での運用に適した装備も施されていました。さらに、極秘任務として核攻撃の役割を与えられていたこともあったと言われています。ポーランドのSu-7BKLは、冷戦時に西ドイツに対する攻撃に使用される予定でした。

インド空軍では、1967年から1969年にかけて140機のSu-7Bを導入しました。これらは国産機HF-24マルートと共に第一線部隊で運用されましたが、その後、MiG-23BNやMiG-27MLの導入に伴い退役しました。

冷戦が終わる頃、ソ連ではSu-17シリーズやMiG-27シリーズが配備され、Su-7の運用は次第に後退しました。それでも、複座型は試験目的で使われ続けました。多くの国でSu-7はすでに退役していましたが、エジプトでは比較的長期間運用されていたという記録があります。一方、イラクやアフガニスタンでは、戦乱によて全機が使用不能になったと考えられています。

評価と性能

Su-7の最大の強みは、低空での高速飛行能力でした。特に第四次中東戦争では、ある程度の戦果を上げました。しかし、航続距離の短さや滑走距離の長さは欠点として指摘されており、搭載できる兵器量も限られていました。また、中東戦争においては、機動性に優れたMiG-17と比べて、Su-7は大きく鈍重であるため、より攻撃の標的になりやすかったとされています。

それでも、地上目標への攻撃に関しては、その安定性から優れた能力を発揮することが評価されました。特にインド空軍のSu-7Bは、第三次印パ戦争で活躍しましたが、対空火力にさらされることが多く、30機以上が失われました。

その後の発展

1966年には、航続距離と滑走距離の改善を目的にSu-7BMの主翼を半可変翼にしたSu-7IKが開発され、ここから発展したのがSu-17です。Su-17はその後、1990年まで生産が続けられ、2005年にはポーランドやペルーなどで多くが運用されていました。

スペック

• - 初飛行: 1962年
• - 翼幅: 9.31 m
• - 全長: 16.80 m
• - 空虚重量: 8,890 kg
• - 発動機: AL-7F1-100ターボジェットエンジン ×1
• - 最高速度: 2,150 km/h
• - 実用航続距離: 1,650 km

現在の運用状況

Su-7は多くの国で退役したとは言え、現存する機体も存在します。特に北朝鮮では、いくつかの機体が現役として存在しているとの情報があります。現存する機体の正確な数や状態は把握されていないため、観察するに留まるのが良いでしょう。

このように、Su-7はその初飛行から50年以上経過した現在でも、航空機史の中で重要な存在として記録されています。

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