Such A Funky Thang!

『Such A Funky Thang!』：久保田利伸の音楽的冒険

久保田利伸の3枚目のアルバム『Such A Funky Thang!』は、1988年9月30日にリリースされ、彼の音楽性を大きく押し広げた重要な作品となりました。前作『GROOVIN'』から1年半の時を経て発表された本作は、2枚組LPという豪華仕様で、当時アメリカで流行していたニュージャックスウィングを大胆に取り入れています。洗練されたサウンドと、久保田利伸特有のファンクネスが融合した、聴き応えのある一枚と言えるでしょう。

2枚組LP：多彩な楽曲群

LPは2枚組という構成で、1曲目から10曲目までが各面に5曲ずつ収録され、11曲目から13曲目までは12インチシングルとして収録されています。この構成からも、アルバム全体に込められた意欲的な姿勢が見て取れます。収録されている楽曲は、アップテンポでダンサブルなものから、しっとりとしたバラードまで幅広く、久保田利伸の表現力の豊かさを余すことなく示しています。

タイアップ楽曲とシングルカット

アルバムからの楽曲は、積極的にタイアップに使用され、大きな話題を呼びました。「Dance If You Want It」、「Indigo Waltz」、「High Roller」の3曲は、それぞれタイアップに関連して、1988年11月26日、1989年1月21日、同年3月21日と、シングルカット、更にはミニアルバムとしてもリリースされています。これらの楽曲が持つキャッチーさと、高い音楽性が、当時のリスナーの心を掴んだと言えるでしょう。また、「Dance If You Want It」と「Love Reborn」のプロモーション盤も制作されており、当時におけるアルバムのプロモーション活動の熱意がうかがえます。

ソングライティングと作詞家とのコラボレーション

全作曲は久保田利伸自身の手によるものですが、作詞においては川村真澄氏との共作も見られます。久保田利伸の音楽性と川村真澄氏の言葉選びの絶妙なバランスが、楽曲に深みを与え、より魅力的な作品に仕上がっています。久保田利伸の才能を支える、作詞家との連携もこのアルバムの特徴と言えるでしょう。

代表曲「Such A Funky Thang!」

アルバムタイトルにもなっている「Such A Funky Thang!」は、その名の通り、ファンキーでグルーヴィな楽曲です。同名の楽曲が、イントロとアウトロとして配置されており、アルバム全体の統一感を高めています。この楽曲が持つ独特の雰囲気は、アルバム全体を象徴するものであり、リスナーに強烈な印象を与えます。

楽曲リスト

アルバムには、17曲が収録されています。それぞれの楽曲は、個性豊かで、リスナーを飽きさせません。以下に、収録曲と演奏時間を記載します。

Dance If You Want It (4分57秒) 作詞：久保田利伸・川村真澄
High Roller (4分49秒) 作詞：川村真澄
Love Reborn (4分55秒)
Yo Bro! (5分23秒)
Merry Merry Miracle (4分26秒)
Such A Funky Thang! ～隕石が落ちた日～ (5分02秒) 作詞：久保田利伸・川村真澄
gone gone gone (5分12秒) 作詞：川村真澄
すべての山に登れ (5分04秒) 作詞：川村真澄
Boxer (4分40秒) 作詞：川村真澄
Indigo Waltz (5分31秒)
Drunkard Terry (6分35秒) 作詞：久保田利伸・川村真澄
覚えていた夢 (4分50秒) 作詞：川村真澄
* Such A Funky Thang! ～Reprise～ (0分37秒) 作詞：久保田利伸・川村真澄

『Such A Funky Thang!』は、久保田利伸の音楽的探求心と才能を余すことなく示した、まさに彼のキャリアを語る上で欠かせない重要なアルバムです。当時最新の音楽トレンドを取り入れながらも、彼のオリジナリティをしっかりと感じさせる、聴き応えのある作品です。

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