Supercell (クリエイター集団)

supercell（スーパーセル）とは

supercellは、コンポーザーのryoを中心に、イラストレーターやデザイナーが集結した日本のクリエイター集団です。同人音楽サークルとして活動を開始し、現在はインクストゥエンターに所属、ソニー・ミュージックエンタテインメント系列のレーベル（Sony Music Records、SOULTAG・GT music）から楽曲をリリースしています。

概要

supercellの大きな特徴は、固定のボーカルを持たないことです。初期は音声合成ソフト「初音ミク」をボーカルとして起用し、その斬新なスタイルで注目を集めました。その後は、楽曲ごとにゲストボーカルを迎えるスタイルを確立しています。

初期の代表作であるアルバム『supercell』では全曲初音ミクがボーカルを担当しました。その後、ryo(supercell)名義で発表された「こっち向いてBaby」などは、初音ミク -Project DIVA- 2ndのテーマソングとして人気を博しました。

ゲストボーカル

supercellは、楽曲の表現に合わせて様々なボーカリストを起用しています。

nagi: 1stシングルから2ndアルバムまで参加。透明感のある歌声で、「君の知らない物語」「さよならメモリーズ」など、数々のヒット曲を生み出しました。
こゑだ: 4thシングルから3rdアルバムまで参加。オーディションで選ばれた歌声は、「My Dearest」「告白／僕らのあしあと」といった楽曲で、その魅力を発揮しました。
Ann、gaku: 2016年のオーディションで選ばれた2人。2019年リリースの9thシングル「#Love feat. Ann, gaku」で、新たなsupercellサウンドを彩りました。

デビューの経緯と「メルト」の衝撃

supercellが注目を集めるきっかけとなったのは、2007年にryoがニコニコ動画に投稿した楽曲「メルト」です。初音ミクをボーカルに用いたこの楽曲は、瞬く間に300万回以上再生される大ヒットとなり、「メルトショック」と呼ばれる社会現象を巻き起こしました。

「メルト」の動画で使用されたイラストがきっかけで、イラストレーターの119（ひけし）がryoと意気投合し、supercell結成へと繋がりました。その後、119の繋がりから様々なクリエイターが参加し、メジャーデビュー時には総勢11名のグループとなりました。

メジャーデビュー

自主制作盤の完売を受け、supercellはソニー・ミュージックエンタテインメントからメジャーデビュー。しかし、当初は「初音ミク」という存在が一般に浸透しておらず、デビューには困難もありました。最終的には、supercellの音楽を理解し尊重するスタッフとの出会いがあり、メジャーデビューが実現しました。

音楽性

ryoは自身の音楽性について、「匿名性や記号性の高い音楽」と表現しています。顔出しをせず、何者かになりきって音楽を制作することを好むryoの楽曲は、ピアノを基調としたエモーショナルなバンドサウンドが特徴です。

アマチュア時代には、「人が歌うことを想定した歌詞は書かない」と語っていました。機械に歌わせるからこそ、恥ずかしい歌詞も躊躇なく書ける、というryoの言葉は、supercellの音楽を理解する上で重要なポイントと言えるでしょう。

メンバー

ryo: 作詞・作曲・プロデュースを担当。supercellの楽曲全ての中心人物。
三輪士郎: イラストレーター。『DOGS』シリーズなどを手掛ける。
huke: イラストレーター。『メタルギア』シリーズ、『STEINS;GATE』などのキャラクターデザインを担当。
redjuice: イラストレーター、デザイナー。supercellの他、EGOISTなどのアートワークも担当。
マクー: イラストレーター、動画クリエイター。「恋は戦争」「初めての恋が終わる時」などの動画を制作。
宇佐義大: デザイナー。CDパッケージなどをデザイン。

ディスコグラフィ（一部）

アルバム: 『supercell』、『Today Is A Beautiful Day』、『ZIGAEXPERIENTIA』
* シングル: 「君の知らない物語」、「さよならメモリーズ」、「My Dearest」、「#Love feat. Ann, gaku」