T-モバイル・パーク

T-モバイル・パークについて

T-モバイル・パークは、アメリカ・ワシントン州シアトルに位置する野球場で、メジャーリーグベースボール（MLB）のシアトル・マリナーズのホームグラウンドとして知られています。この球場は、開閉式の屋根を持ち、天然芝で作られている点において、世界で二番目の施設となります。屋根は特注の鋼鉄製で、重さは約1万1,000トンに達し、開閉には約20分を要し、印象的な工芸品とも言えます。周囲には貨物線が隣接しているため、列車の音が球場内に響く独特の環境も特徴の一つです。

歴史

T-モバイル・パークの建設は、1980年代の終わりから1990年代にかけてのシアトル・マリナーズの本拠地変更に端を発しています。元々の本拠地であるキングドームは、老朽化が進み、ドーム特有の閉塞感にファンの不満が高まっていました。この状況を受け、1995年に新球場の建設が決定され、正式に工事がスタートしたのは1997年のことで、多くのファンが期待を寄せながらオープンを待ち望みました。

1998年には、ローカルの保険会社「セーフコ」がネーミングライツを取得し、「セーフコ・フィールド」という名称が付けられました。その後、2018年にはT-Mobile USが新たにネーミングライツを取得し、現在の「T-モバイル・パーク」として親しまれています。

フィールドの特徴

この球場のフィールドは広々としており、特に左中間が深いため、守備の要である外野手には高い守備力が求められます。また、右打者はこの球場の特性上、不利な状況に直面することが多いとされています。また、ファウルアウトの確率はアメリカンリーグの中でも高く、投手有利なパークファクターが見受けられます。

センター奥にある「ザ・ペン」は、他の試合よりも早く開場するため、ファンには特に人気のエリアとなっています。

改修と進化

T-モバイル・パークでは、2012年にフィールドの改修が行われました。この改修は、打者に有利な条件を整えることを目的とし、フェンスの位置が調整されました。具体的には、左中間の距離が390ftから378ftに縮小され、中堅も405ftから401ftに、右中間も385ftから381ftに変更されました。また、左翼のフェンスの高さも16ftから8ftに低くされています。

主な出来事

球場では数々の歴史的な出来事がありました。1999年の開場以来、様々な試合やイベントが行われ、2001年にはオールスターゲームが開催されています。特に注目すべきは、イチロー選手が2004年にシーズン258安打を達成し、MLBの記録を更新したことや、2012年には二度の完全試合が同じ年にこの球場で達成された点です。

また、野球に限らず、2003年にはWWEのレッスルマニアが開催され、54,097人の観客を動員して最多入場者記録を樹立しました。

2024年の元日には、NHLウィンター・クラシックも予定されており、様々なスポーツイベントがこの球場で行われることでしょう。T-モバイル・パークは、野球のみならず、多彩なイベントが催されるシアトルの重要なスポーツ拠点となっています。

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