T-2 (航空機・アメリカ)

ノースアメリカン T-2 バックアイ

ノースアメリカン T-2は、アメリカ合衆国で開発された艦上練習機です。愛称は「バックアイ」と呼ばれ、主にジェット機の操縦訓練や航空母艦の発着艦訓練に使用されました。1960年代から半世紀以上にわたり、アメリカ海軍の艦上中間練習機として活躍しましたが、一部は他国にも輸出されています。

機体の概要

T-2は、縦列複座の座席配列が特徴の直線翼、中翼配置の単発機（B型以降は双発）として設計され、一般的に艦上練習機の役割を果たしました。その開発は1950年代に始まり、初代モデルであるT2Jは、ノースアメリカン社が設計しました。この機体は、同社のFJ-1フュリー戦闘機の主翼が流用されています。1956年にアメリカ海軍から採用され、試作機YT2J-1は1958年に初飛行しました。

部隊配備は1959年から始まりましたが、単発エンジンの安全性について疑問が呈されたため、双発型の開発が進められました。これによりT2J-2が生まれ、さらに改良を重ねた量産型のT-2Bは1965年に初飛行し、翌年から部隊配備が始まりました。また、1960年代後半にはT-2Cが開発され、エンジンをGE J-85ターボジェットに変更しました。

運用とバリエーション

T-2は、アメリカ海軍における艦上練習機として長年使用され、特にT-2Cは陸上運用の高等練習機としても活躍しました。海外にも輸出され、ベネズエラ向けにはT-2D、ギリシャ向けにはT-2Eが生産されました。標準装備として兵装は持たないものの、T-2C以降のモデルは主翼下にガンポッドや爆弾などの兵装を搭載することが可能で、軽攻撃機としても運用ができるようになりました。

ノースアメリカン社は、後にロックウェル社と合併し、T-2の最後のロットはロックウェル社によって製造されました。アメリカ海軍では1990年代後半から後継機のT-45 ゴスホークに交代が進み、2008年には全機が退役しましたが、ギリシャ空軍においては現在も運用されています。

仕様と派生型

主な仕様は以下の通りです（T-2Cの場合）:

• - 乗員: 2名
• - 全長: 11 m
• - 全幅: 10.3 m
• - 全高: 4.5 m
• - 空虚重量: 3,652 kg
• - エンジン: GE J85-GE-4 ターボジェットエンジン 2基
• - 推力: 13 kN
• - 最大速度: 834 km/h
• - 航続距離: 1,456 km
• - 到達高度: 13,500 m
• - 兵装: 固定武装なし、最大1,600 kgの外部兵装搭載可能

派生型の一覧

• - YT2J-1: 原型機（6機生産）
• - T-2A: 単発エンジンを持つ初期生産型（217機生産）
• - T-2B: 双発エンジンモデル（97機生産）
• - T-2C: 外部兵装搭載能力を持つ改良型（231機生産）
• - T-2D: ベネズエラ空軍向け（12機生産）
• - T-2E: ギリシャ空軍向け（30機生産）

ノースアメリカン T-2は、アメリカ海軍の練習機として多くのパイロットに教育を提供し続け、航空界における重要な存在として記憶されています。

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