T30重戦車

T30重戦車：大戦末期に開発されたアメリカの重戦車

T30重戦車は、第二次世界大戦中にアメリカ軍が、ドイツ国防軍の新型戦車に対抗する目的で計画された重戦車です。T29重戦車と同時期に設計が進められました。

開発と特徴

最初の試作車輌は1945年4月に開発が開始され、1947年に完成しました。主砲には155mm砲T7が搭載され、分離装薬と弾頭からなる弾薬を使用しました。この大口径砲の装填を容易にするため、装填棒が動力化された機力装填装置が導入され、装填手の負担を軽減しました。さらに、砲弾の搭載には動力付きのホイストが用いられました。

派生型としてT30E1と呼ばれる型式も存在し、これは砲塔後面に薬莢排出用の追加ハッチを備えていました。また、T30E2という別の型式も存在します。

T30の砲弾は重量が43kg、分離装薬は18kgにも達し、合計で61kgという重さでした。この重量のため、人力での装填は非常に困難であり、機力装填装置の導入は必須でした。

生産と現状

T30は合計で12輌が生産されました。現在、残存車輛がケンタッキー州フォート・ノックスのマーシャル・ホール前に展示されています。これは貴重な現存車両として、当時の技術と設計思想を今に伝える存在です。

計画のみに終わった発展型

戦後には、T30に搭載されていた155mm砲T7を軽量化した155mm砲T180を、新たに開発された揺動砲塔に搭載し、T43（後のM103重戦車）の車体にその砲塔を搭載する計画がありました。これはT58重戦車として開発される予定でしたが、砲塔の試作のみで計画は打ち切られました。しかし、この計画は、更なる大口径砲搭載戦車の可能性を追求したものであり、興味深い事例と言えるでしょう。

登場作品

T30は、ゲーム『World of Tanks』にアメリカ駆逐戦車T30として登場し、プレイヤーが開発・使用することができます。

参考文献

Polish article on T30: http://www.airlandseaweapons.com/blog/565807-evolution-of-conventional-rifled-guns-on-tanks-i/
ピーター・チェンバレン、クリス・エリス『世界の戦車1915～1945』大日本絵画、1996年。ISBN 4-499-22616-3

関連項目

重戦車

外部リンク

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* survivor at Fort Knox

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