TAD (ゲーム会社)

株式会社ティエィディ（TAD CORPORATION）について

株式会社ティエィディ、略称TADは、かつて東京都三鷹市に存在していたゲーム開発企業です。この会社は、データイーストの元社員である横山忠によって設立されました。データイーストのスピンオフとして知られるこの会社は、先行企業のもとで培った技術と経験を生かし、多くの人気ゲームを世に送り出しました。

ゲーム作りの背景

TADはデータイーストから独立する際、多くの腕利き開発者を引き抜くことに成功しました。これには、『カルノフ』を手掛けた伏木巌などが含まれます。このため、データイーストはTADに対して訴訟を起こしましたが、最終的にはTADの主張が認められ、訴訟は棄却されました。特に、横山社長はデータイーストUSAでの経験を生かし、海外市場に強い視点で取り組んでいました。

主な作品とヒット作

TADの作品の中でも特に人気を集めたのは、海外での成功を収めた『カベール』と『JuJu伝説』です。これらのゲームは多くのコンシューマー機に移植され、国内外で高い評価を得ました。また、他の代表作には『ブラッドブラザーズ』や『最終格闘貴族レジオネア』などがあり、特に後者はアニメ監督となる藤咲淳一が手掛けた作品として知られています。

TADからの派生とその後

TADのスタッフは、その後もゲーム業界で活躍を続けました。特に野崎ロイと仁井田耕一は別の企業、ミッチェルに移籍し、新たなプロジェクトに参加しました。ミッチェルは、1980年代末に元カプコンの開発者たちを迎え入れることで、自社開発に乗り出しました。このようにTADで培った技術が、新たな企業においても活かされていきました。

また、元TADの西澤孝や佐久間明などもユースへと移籍し、プレイステーション版の新作を手がけましたが、彼らは後にゲーム業界から退くことになります。時の流れの中で、各々がさまざまなキャリアを歩んでいく様は、この業界の流動性を象徴しています。

横山忠のその後

TADの廃業後、横山忠は教育の道へと進み、高知中学校・高等学校で英語教師としての職務を務めていたとのことです。遊び心溢れるゲームのクリエイターから教育者への転身は、彼の人生における新たな挑戦だったといえるでしょう。

最後に

TADは、データイーストで培った技術とノウハウをもとに、独自の道を切り開いていった企業でした。数々の名作を生み出し、後のゲーム業界へ大きな影響を与えたTADの歴史は、ゲーム好きにとって興味深いものです。また、TADの作品の版権は、今も横山忠が保持しており、その存在は今なお記憶に刻まれています。

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