TALISMAN

TALISMAN

『TALISMAN』（タリスマン）は、日本のロックバンド、THEATRE BROOK（シアターブルック）が1996年6月24日に、EPIC/SONY RECORDSから発表した通算2作目のフルアルバムです。

解説

このアルバムは、シアターブルックがそれまでにリリースした作品の中で、最も大きな商業的成功を収めたヒット作となりました。彼らのキャリアにおける節目とも言える重要な作品です。

アルバムは合計15曲で構成されており、そのうちの3曲は歌詞のないインストゥルメンタルナンバーとなっています。

批評

音楽評論においては、音楽雑誌「CDジャーナル」が本作に対して肯定的な評価を与えています。同誌は、アルバム全体にわたる奥深いボーカル表現と、緻密に構築された音作りが生み出す重厚な世界観を認めつつも、本作が単なる内省的なサウンドに留まらない点を強調しました。具体的には、楽曲に満ち溢れるスピーディかつワイルドな躍動感、聴く者を圧倒するエネルギッシュな演奏、そして自然と体を揺らすような強力なグルーヴ感を指摘しています。これらの要素が見事に融合した結果、バンドが当時既に確立していた「本物の」アーティストとしての貫禄と、その底力をリスナーに強烈に印象づける作品となった、とその重要性を位置づけています。CDジャーナル誌のレビューは、本作を「全編ディープなヴォーカル唱法と音作りでありながら、スピーディにワイルドにエネルギッシュに、そしてグルーヴィに聴かせる、本物の貫禄を見せつけた一発。」と評しました。

収録曲

アルバム『TALISMAN』には、以下の15曲が収録されています。

作詞・作曲はバンドの中心人物である佐藤タイジが多くの楽曲で担当していますが、例外として「One Fine Morning」はカナダのミュージシャン、スキップ・プロコップ（Skip Prokop）による作詞・作曲です。

編曲は基本的にバンド自身（THEATRE BROOK）が行っていますが、一部楽曲では外部の音楽家も共同で編曲に参加しています。「ドレッドライダー」「野蛮なローソク」「あふれ出すばかり」「昨日よりちょっと（Long version）」「ありったけの愛（Live Version）」では中村哲が、そして「キャプテンパラボラ（Instrumental）」「無実の子」ではEL PASO BROS.が、それぞれシアターブルックと共に編曲を手がけています。

また、前述の通り、全15曲中3曲がインストゥルメンタルバージョンです。具体的には、「パラボラマン」「パラボラマン（reprise）」「キャプテンパラボラ」がインストゥルメンタル楽曲として収録されています。

収録曲リスト：

• - TEPID RAIN
• - パラボラマン（Instrumental）
• - ドレッドライダー
• - 野蛮なローソク
• - パラボラマン（reprise）
• - 誰にも言えない
• - 命の一発
• - One Fine Morning
• - あふれ出すばかり
• - キャプテンパラボラ（Instrumental）
• - 昨日よりちょっと（Long version）
• - DREAD SUPER ～BLACK SPIN～
• - ありったけの愛（Live Version）
• - 光の粒
• - 無実の子

『TALISMAN』は、シアターブルックのディープかつエネルギッシュな音楽性を代表する一枚として、彼らのキャリアの中でも特に重要な位置を占める作品です。当時の彼らの勢いと実力を知る上で欠かせないアルバムと言えるでしょう。

関連項目

* 1996年の音楽

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