THE 功夫

THE 功夫：PCエンジンを代表する横スクロールアクションゲーム

『THE 功夫』（ザ・クンフー）は、1987年11月21日にハドソンよりPCエンジン向けに発売された横スクロールアクションゲームです。当初はPCエンジンのローンチタイトルとして予定されていましたが、発売直前のバグ発見により延期、PCエンジン発売から約1ヶ月遅れのリリースとなりました。しかし、パッケージのボリュームナンバーは当初予定通り「Vol.1」のままという、開発におけるハプニングも物語る作品です。

ストーリー：暗黒大帝に支配された功夫界を救え！

邪悪な暗黒大帝・星厳呉が中国功夫最大の城「洛陽閣」を乗っ取り、功夫界は危機に瀕していました。正義感溢れる拳法家・王（ワン）は、この危機を救うべく、単身洛陽閣へと乗り込みます。様々な拳法使いを倒し、最終的に星厳呉を打倒することが、プレイヤーの使命となります。

ゲームシステム：シンプルながらも奥深いアクション

王は、パンチ、キックといった基本的な攻撃に加え、状況に応じて威力の異なる必殺技「デカパンチ」「百烈拳」を使用できます。敵からの攻撃を受けるとパワーゲージが減少していき、パワーがゼロになると残機が減ります。烏龍茶を入手したり、特定の敵を倒すことでパワーを回復させることができます。パワーゲージは最大10個まで表示され、11個以上になると金色に輝きます。

ステージは7画面からなるノーマル面、ボスと戦う対決面、そしてボーナス面で構成されています。ボーナス面では、ヌンチャクを操り壺を割って得点を競います。タイミング良くボタンを押すことで高得点を狙え、成功すれば体力回復も得られます。全3周の構成となっており、何度もプレイするほどにゲームの奥深さを体感できます。

個性豊かな敵キャラクター：多種多様な敵との戦闘

ゲームには、毒蛾や百歩蛇といった小動物、火の玉や水の玉などの飛び道具、そして「イー」「リャン」「サン」といった個性的な戦闘員など、多種多様な敵キャラクターが登場します。敵キャラクターは見た目だけでなく、攻撃パターンや得点も異なり、戦略性のある戦闘が楽しめます。さらに、各ステージの最後には強力なボスキャラクターが待ち構えています。ボスキャラクターもそれぞれ異なる攻撃パターンを持っており、プレイヤーの技量を試されます。

多彩な移植版：様々なプラットフォームで蘇る名作

『THE 功夫』は、PCエンジン版以外にも、携帯電話ゲーム、Wii、ニンテンドー3DS、Wii Uのバーチャルコンソール、PlayStation 3およびPlayStation Portableのゲームアーカイブスなど、数多くのプラットフォームで移植・配信されてきました。これにより、多くのプレイヤーが時代を超えてこの名作をプレイできる機会を得ています。現在、著作権はコナミデジタルエンタテインメントが保有しています。

評価：賛否両論あるものの、独特の魅力を持つ作品

ゲーム誌『PC Engine FAN』の読者投票では、16.68点という評価を得ています。爽快感溢れるアクション性と、PCエンジンの性能を最大限に活かした巨大なキャラクター表現は高く評価された一方、大味なゲームシステムや敵キャラクターのデザインの類似性などは批判的な意見も存在します。

『ボボボーボ・ボーボボ 爆闘ハジケ大戦』に収録されているミニゲーム「THE ISAO」は、本作のボーナス面をオマージュしたものであり、その影響力の広さを伺い知ることができます。

『THE 功夫』は、発売から数十年経った今でも、その独特の魅力で多くのプレイヤーを魅了し続ける、PCエンジンを代表する横スクロールアクションゲームと言えるでしょう。シンプルながらも奥深いゲーム性、個性豊かなキャラクター、そして爽快なアクションは、現代においても色褪せることがありません。

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