THE 10th ODYSSEY

アルバム紹介: THE 10th ODYSSEY

『THE 10th ODYSSEY』（ザ・テンス・オデッセイ）は、2023年10月現在の情報によれば、チューリップにとっての通算12枚目のアルバムとして、1981年11月1日にリリースされました。このアルバムは、バンドのデビュー10周年を祝す意義深い作品であり、宇宙や地球といった壮大なテーマが取り扱われています。

アルバムのテーマとビジュアル

タイトルの通り、10周年を記念するこのアルバムでは、「生まれたときからずっとぼくらは宇宙の子供です」というキャッチコピーが印象的です。楽曲は、宇宙的な要素が色濃く表現されており、聴く者を幻想的な世界に誘います。ジャケットアートは、赤ん坊がピアノの鍵盤に腰掛け、宇宙を見つめる後ろ姿を描いたデザインが特徴です。このアートには、シングル『ふたりがつくった風景』では赤ん坊のいないバージョンが使用され、NHKで放映された『TULIPライブ』では赤ん坊の姿が動くバージョンが使われるなど、視覚的にもアルバムの世界観が表現されています。

このアルバムは、チューリップが自身の個人事務所「クリケット」を設立後に制作した初の作品であり、メンバーにとっても特別な意味を持つものとなっています。

収録曲の概要

アルバムは、A面とB面に分かれており、それぞれの収録曲にも独自のメッセージがあります。次に、各楽曲について概説します。

Side A

1. THE 10th ODYSSEY
作詞・作曲：財津和夫
これはアルバムタイトルにもなっている楽曲で、チューリップを一つの舟に例えて描写された詩的な内容です。

2. 愛の遭難者
作詞・作曲：財津和夫
この曲も、愛についての深い思索がなされており、心を打つバラードです。

3. めぐり逢いは想い出
作詞：財津和夫／作曲：宮城伸一郎
出会いや別れの美しさを歌っており、聴く者の心に残る一曲です。

4. ささやかな子守唄
作詞・作曲：財津和夫
子守唄というテーマを通じて、思いやりと愛情が表現されています。

5. たとえばI LOVE YOU
作詞・作曲：伊藤かおる
伊藤が唯一作詞・作曲・ボーカルを担当した曲で、LP版では「かおる」と表記されますが、CDなどでは「薫」となっています。

Side B

1. 恋のテレポーテーション
作詞：財津和夫／作曲：安部俊幸
恋愛をテーマにした軽快なリズムの楽曲です。

2. 渚に佇んで
作詞・作曲：財津和夫
自然の美しさと心の平安を感じさせる楽曲です。

3. 愛のゆくえ
作詞・作曲：財津和夫
愛の行く先に対する切ない思いが込められています。

4. 街は黄昏がれに抱かれ
作詞・作曲：財津和夫
こちらも深いメッセージを持つ楽曲で、特に韻の踏み方に対する財津のこだわりが伺えます。

5. 地球の空から
作詞・作曲：財津和夫
地球の美しさを感じさせるナンバーで、アルバムの締めくくりに相応しい作品です。

制作陣と感謝

このアルバムのプロデューサーは日田和永で、他にも様々な才能あふれるスタッフが関わっています。全楽曲はチューリップのメンバーによって書かれ、演奏されました。

まとめ

『THE 10th ODYSSEY』は、チューリップの音楽の集大成とも言える作品であり、バンドの10年間の歩みを象徴する一作です。宇宙をテーマにした壮大な楽曲が揃っており、多くのリスナーに愛される理由はここにあります。

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