THE 4TH KIND フォース・カインド

映画『THE 4TH KIND フォース・カインド』について

『THE 4TH KIND フォース・カインド』（原題: The Fourth Kind）は、2009年に公開されたアメリカ製のホラー映画である。本作は、実際の事件に基づいているとの触れ込みから、ドキュメンタリー的な要素を取り入れたモキュメンタリーとされている。タイトルにある「第四種接近遭遇」は、UFO研究の著名な人物J・アレン・ハイネックが提唱した接近遭遇のカテゴリーに由来しており、特に異星人による誘拐を指すものである。この映画は、アラスカ州ノームを舞台に、実際の出来事を模したストーリーが展開される。

ストーリー概要

物語は、心理学者アビゲイル・タイラー博士を中心に進行する。彼女は夫を何者かに殺された後、2年前の夫の死の真相を解明しようとノームの住民たちを治療していく。実際にノームでは多数の行方不明者が存在し、1960年代からFBIが捜査を行うなど不安な状況が続いている。タイラー博士は、複数の患者が共通して午前3時頃に同じような不気味な夢を見ていることに気づく。その夢は、白く大きな目を持つフクロウに関連している。彼女はこの現象が謎の誘拐事件と関係があるのではと考え、催眠療法を行うことを決意する。

この催眠療法では、多くの患者が記憶を思い出せない中、ある患者だけが「フクロウではない」と言い出す。しかし、その直後に彼は錯乱し、家に逃げ帰る。この患者が後に家族を人質にした事件を起こし、彼の口から「自分が何をされたか思い出した」という言葉が飛び出す。この録音された言葉は、タイラー博士にさらなる恐怖をもたらす。

不可解な現象

その後、タイラー博士は自宅で録音された奇妙な声に気づき、自身の肩には見知らぬ傷が残っていた。調査が進むにつれ、亡き夫がかつて言語学者にコンタクトをとっていたことが明らかになる。彼らは何らかの言語、古代シュメール語が関与していると発見する。

さらに、続く催眠療法において、タイラー博士は再び不可解な現象を目の当たりにする。患者が突然絶叫し、身体が宙に浮き上がる様子は、一体何が起こっているのかを疑問視させる。これにより、同席していたキャンポス博士も恐怖を感じ、タイラー博士の仮説を否応なく信じるようになる。

失踪と制限

タイラー博士の治療を受けた多くの人々が次々と不幸な事件に見舞われると、警察もタイラー博士の証言を信じることはなくなってしまう。最終的には、彼女の娘アシュリーが姿を消し、タイラー博士は目の前で宇宙人に連れ去られる場面を目撃したと主張するが、誰も彼女の言葉を信じない。

映画の意図と現実

本作のプロモーションでは、実際の事件を元にしていると強調しながら、詳細は曖昧にしている。調査によると、ノームの失踪事件には根拠がないとされており、地元の実情が背景にあることが指摘されている。映画の制作会社は、バイラルマーケティングの一環として偽の記事を作成したと認め、その結果として批判を受けるに至った。これは映画の真偽を疑問視する向きも多く、観客の理解をさらに複雑なものにしている。

結論

『THE 4TH KIND フォース・カインド』は、不可解で不気味な体験を描いた作品であり、視聴者の恐怖心を掻き立てる。サイエンスフィクションとホラーを融合させたそのエンターテインメント性の裏には、実際には確認できない真実が隠されている。観る者に様々な疑問を投げかけるこの映画は、単なるフィクション以上の存在感を持っている。

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