THE GREATEST HITS (アルバム)

LOVE PSYCHEDELICO|LOVE_PSYCHEDELICOの1stアルバム『THE GREATEST HITS』は、彼らが青山学院大学の音楽サークル「ACM」に在籍していた頃のデモテープを土台に制作された作品です。アコースティックギターと歌を録り直し、1000年に一度の1並びの日にリリースされました。タイトルはあえて「THE GREATEST HITS」と名付けられ、ベストアルバムと誤解されやすいですが、オリジナルアルバムです。

1997年から2000年にかけての音楽シーンは、国内外のアーティストが共演するロックフェスティバルが開催され、洋楽と邦楽の境界線が曖昧になりつつありました。宇多田ヒカルのように英語と日本語を混ぜた歌がヒットし、EGO-WRAPPIN'のようにルーツミュージックを現代風にアレンジしたアーティストも人気を集めていました。このような時代背景の中、本作は160万枚を超えるセールスを記録しました。

THE ALFEE|THE_ALFEEの坂崎幸之助も本作を愛聴し、自身のラジオ番組で「英語まじりの日本語の歌は好きではないが、彼らだけは格好良いと思った」と語っています。アルバムは、意図的にシングル曲を冒頭に配置し、新曲を半分収録するという、まるでベストアルバムのような構成になっています。また、エレキギターをメインにしたロック色の強い曲はシングルとして、アコースティックをメインにしたゆったりとした曲はアルバム曲として、明確に区別されています。

アルバムのアートワークは、グラフィックデザイナーの藤川コウと共同で制作されました。アルバムのテーマは、「ロックを聴かない女の子の部屋のCD棚にロックのリフが入ったCDを置く」というもので、80年代のバンドブーム以降に多様化した日本のロックとは異なる、洋楽のエッセンスを前面に押し出したサウンドが特徴です。NAOKIの印象的なギターリフとKUMIの日本語と英語が混在する歌詞は、彼らの基本的なスタイルを確立しています。60-70年代の音楽をベースにしながらも、90-00年代の音作りを取り入れ、現代的なサウンドに仕上がっています。また、クラブミュージックの影響を受けたリズムトラックも、当時の流行を取り入れ、アップデートされています。

収録曲は以下の通りです。

1. LADY MADONNA 〜憂鬱なるスパイダー〜：デビューシングル。音楽番組「僕らの音楽」でも演奏。
2. Right on：CMソング。
3. Your Song：2ndシングル。SEIKO「ルキア」CMソング。『Early Times』にも収録。
4. Last Smile (extension mix)：3rdシングル。シングルバージョンより尺が長い。
5. I mean love me：アルバムオリジナル曲。全編英語詞。
6. Moonly：3rdシングル「Last Smile」のカップリング曲のアルバムバージョン。シングル版にはSingle editと表記。
7. Are you still dreaming ever-free?：アルバムオリジナル曲。全編英語詞。ギター弾き語りの短い楽曲。
8. I miss you：アルバムオリジナル曲。
9. ノスタルジック'69：2ndシングル「Your Song」のカップリング曲。
10. These days：アルバムオリジナル曲。アコースティックギターをメイン。
11. LOW (ver.1.1)：1stシングル「LADY MADONNA 〜憂鬱なるスパイダー〜」のカップリング曲の別バージョン。
12. A DAY FOR YOU：アコースティックサウンドを押し出した楽曲。

Additional Keyboardsとして、清水俊也（AYANE'S PATRON SHIMIZU）が参加しています。

『THE GREATEST HITS』は、LOVE PSYCHEDELICO|LOVE_PSYCHEDELICOの音楽的なルーツと、時代を超えた普遍的な魅力を凝縮した、重要な作品と言えるでしょう。

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