THE LOVE MAP SHOP

アルバム『THE LOVE MAP SHOP』の詳細

『THE LOVE MAP SHOP』は、日本のバンドチューリップによる通算11枚目のアルバムで、1981年3月5日にリリースされました。このアルバムは、メンバーチェンジを経て新たなスタートを切った第2期チューリップの初作品であり、そのためアルバム全体に新しいコンセプトが色濃く反映されています。

この作品では、前作や財津和夫のソロアルバム『宇宙塵』の影響を受けた宇宙的なテーマがさらに強まり、プログレッシブ・ロックの要素を取り入れた構成が目立ちます。アルバムは1つの統一されたテーマのもとに編成されており、後の14枚目のアルバム『Halo』に至るまで同様のスタイルが続くことになります。

主に財津和夫が中心となって制作された本アルバムには、新メンバーの宮城伸一郎と伊藤薫が参加していますが、姫野達也がボーカルを担当した楽曲は1曲に限られています。これにより、第2期の流れを強調する形になっています。また、アルバムのリリースから2か月後には、チューリップが個人事務所「クリケット」を設立し、本作がシンコーミュージックからの最後のリリース作品であることも特筆に値します。クレジットには草野昌一の名前が記載されており、これが最後のクレジットとなりました。

ジャケットデザインにおいても、アルバムの表記がデビュー以来使われていた曲線的フォントから、ゴシック体に変更されるなど、変化が見られます。このスタイルは、1997年の再結成以降に元に戻ることになります。

収録曲

本アルバムには、多様な楽曲が収められています。以下は主な収録曲とその解説です。

1. THE LOVE MAP SHOP
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ
ボーカル：財津和夫
- タイトル曲であり、第2期チューリップのテーマが示されています。翌年の1000回記念ライブではオープニング曲としても演奏されました。

2. さよなら道化者
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ・椎名和夫
ボーカル：財津和夫
- 同日にシングルとしてもリリースされ、アルバムとは異なるイントロが施されています。

3. 愛は戻れない
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ
ボーカル：財津和夫
- 恋人同士の関係を描いた楽曲で、日常と別れを対比させた歌詞が特徴です。

4. さよならの真ん中で
作詞・作曲：宮城伸一郎
編曲：チューリップ
ボーカル：宮城伸一郎
- 宮城の初のボーカル曲であり、2012年には自身のアルバムで再録されています。

5. おくれる時計
作詞・作曲：財津和夫
編曲：チューリップ
ボーカル：財津和夫
- 本作のクレジットに関連した曲で、多くのファンに愛されています。

この他にも「音楽の舟」、「日曜日の風景画」、「Sweet Memory」、伊藤薫による「明日、天気になれ」など、多彩な楽曲が収められています。「Shooting Star」も名曲として知られ、ライブでは必ず演奏される人気曲の一つです。

本作の制作にあたっては、プロデューサーやエンジニア、デザイナーなど多くの人々の尽力によって美しい作品が仕上がっています。アルバム『THE LOVE MAP SHOP』は、チューリップの新たな出発を象徴する作品として、多くのリスナーに親しまれ続けています。

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