THE U.S. BOX

ビートルズ米国進出50周年記念！『THE U.S. BOX』：アメリカ編集盤の決定版

2014年1月21日に発売された『THE U.S. BOX』（The U.S. Albums）は、ビートルズの歴史における重要な1ページを凝縮した、まさにファン垂涎のCD-BOXセットです。ビートルズがキャピトル・レコードから最初のアルバム『ミート・ザ・ビートルズ』をリリースし、アメリカで初のツアーを行ってから50周年という節目を記念して制作されました。

このBOXセットの最大のポイントは、アメリカで発売されたビートルズのアルバムを網羅している点です。キャピトル・レコードからリリースされたアメリカ編集盤12作品と、ユナイテッド・アーティスツ・レコードから発売された『ア・ハード・デイズ・ナイト』を加えた全13枚のアルバムが、この1つのBOXに収められています。

ただし、イギリス盤と収録内容が同一である『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム)』『イエロー・サブマリン』『アビイ・ロード』『レット・イット・ビー』、そして1987年の初CD化以降イギリス盤公式オリジナル・アルバムと同等の扱いを受けている『マジカル・ミステリー・ツアー』は、このBOXには含まれていません。これは、アメリカ独自編集盤に焦点を当てたBOXセットであることを明確に示しています。

さらに注目すべき点は、このBOXセットに収録されているアルバムのうち、『ア・ハード・デイズ・ナイト』『ビートルズ物語』『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』『リボルバー』『ヘイ・ジュード』の5作品が、このBOXで初めてCD化されたということです。長らくCD化が待ち望まれていたファンにとっては、まさに朗報と言えるでしょう。

特に『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』は、発売当初、問題視されたアートワーク（ブッチャー・カバー）が差し替えられ、代替ジャケット（トランク・カバー）が使用されていました。しかし、このBOXセットでは、オリジナルのブッチャー・カバーが使用され、さらにトランク・カバーも付属するという、コレクター魂をくすぐる仕様となっています。

音質についても言及しなければなりません。このBOXセットは、「アメリカ編集盤のBOXセット」という触れ込みではありますが、2004年に発売された『ザ・キャピトル・アルバムス Vol.1』『ザ・キャピトル・アルバムス Vol.2』とは異なり、一部を除いてイギリス盤に収録されているミックスの音源を使用しています。そのため、いくつかのキャピトル盤で収録されていた特定のミックスは、このBOXセットには収録されていません。例えば、『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』に収録されている一部の楽曲のモノラルミックスなどは、このBOXでは聴くことができません。

収録アルバム一覧は以下の通りです。

DISC 1：『ミート・ザ・ビートルズ』
DISC 2：『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』
DISC 3：『ア・ハード・デイズ・ナイト』
DISC 4：『サムシング・ニュー』
DISC 5：『ビートルズ物語』
DISC 6：『ビートルズ'65』
DISC 7：『ジ・アーリー・ビートルズ』
DISC 8：『ビートルズ VI』
DISC 9：『ヘルプ！(四人はアイドル)』
DISC 10：『ラバー・ソウル』
DISC 11：『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』
DISC 12：『リボルバー』
DISC 13：『ヘイ・ジュード』

まとめとして、『THE U.S. BOX』は、アメリカにおけるビートルズの軌跡を辿る上で非常に価値のあるBOXセットです。初CD化作品の存在、オリジナルジャケットの再現、そしてイギリス盤マスター音源の使用など、コレクター、そしてビートルズファンにとって、多くの魅力が詰まった作品と言えるでしょう。アメリカ編集盤の特質とイギリス盤マスター音源の両方の魅力を兼ね備えた、まさに究極のビートルズ・コレクションと言えるでしょう。

もう一度検索