THE UNNAMED FEELING

The Unnamed Feeling (ジ・アンネームド・フィーリング)

メタリカの2003年のアルバム『セイント・アンガー』に収録された「The Unnamed Feeling」は、同アルバムからリリースされた3枚目のシングルです。この楽曲は、人がパニックに陥る寸前に感じる、言葉では表現しきれない感覚、ジェイムズ・ヘットフィールドの言葉を借りれば「不安」をテーマにしています。

楽曲のテーマ

この曲は、人が極度の緊張や不安にさいなまれ、まるで制御を失ってしまうかのような、形容しがたい感情を描写しています。日常の中で誰もが経験しうる、漠然とした不安や焦燥感を、ヘヴィメタルの激しいサウンドに乗せて表現している点が特徴です。

ミュージックビデオ

The Malloysが監督を務めたミュージックビデオは、楽曲の世界観を視覚的に表現しています。ビデオでは、何もない部屋の中で演奏するメタリカのメンバーが、徐々に何かに追い詰められていく様子が描かれています。同時に、それぞれが「名づけようのない感覚」を経験している人々の姿が挿入され、楽曲のテーマをより深く掘り下げています。ミュージックビデオは、UK盤などのシングルに収録されています。

シングルのカバーアート

シングルのカバーアートは、ファン参加型のコンテストを通じて選ばれました。最終的に、黒い背景に白い線で描かれた、簡素な黒い心臓のイラストが採用されました。これは、楽曲の持つ不安や苦悩といった感情を象徴的に表現していると考えられます。日本版のシングルでは、『セイント・アンガー』の他のシングルで使用されている「モンスター」のイメージが使用されています。

トラックリスト

シングルには、以下の楽曲が収録されています。

1. The Unnamed Feeling
2. The Four Horsemen (Live)
3. Damage, Inc. (Live)
4. Leper Messiah (Live)
5. Motorbreath (Live)
6. Ride the Lightning (Live)
7. Hit the Lights (Live)

ライブ音源が多数収録されている点も、このシングルの魅力の一つです。

他のバンドからの影響

ポスト・グランジバンドのNickelbackが、2003年のアルバム『The Long Road』に収録された楽曲「Throw Yourself Away」のイントロが、「The Unnamed Feeling」のイントロと酷似しているとして、一部から批判を受けました。音楽的な類似性が意図的なものなのか、偶然なのかは不明です。

「The Unnamed Feeling」は、メタリカの音楽性の中でも、特に内面的な感情に焦点を当てた楽曲として、ファンから高い評価を受けています。ライブでも頻繁に演奏され、その迫力あるパフォーマンスは観客を魅了し続けています。

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