TI-82

TI-82 グラフ表示電卓の詳細解説

TI-82は、テキサス・インスツルメンツ（TI）が1993年に発売したグラフ表示電卓です。TI-85の低価格版として、またTI-81の後継機として位置づけられています。後継機としてはTI-83シリーズが存在します。

ハードウェアの特徴

TI-82は、6MHzのZ80マイクロプロセッサを搭載しており、これは上位機種であるTI-85と同じものです。前機種のTI-81が2MHzのZ80プロセッサを使用していたのに比べ、大幅に処理能力が向上しています。また、RAM容量もTI-81の2.4KBから28KBへと大幅に増強されており、より複雑な計算やプログラムの実行が可能になりました。ディスプレイは96×64ピクセルで、TI-81と同じ解像度ですが、機能面では大幅な強化が図られています。

TI-82は2004年に製造終了となりましたが、後継機であるTI-83シリーズの一部も同時期に製造終了しています。TI-83シリーズのうち、TI-83 PlusのみがTI-82の製造終了後も販売が継続されました。

主な機能

TI-82は、TI-81と比較して以下の点が強化されています。

リンクポートの搭載: 電卓同士やパーソナルコンピュータとの間でデータやプログラムを転送できます。
グラフ機能の拡充: 極座標グラフと時系列グラフという2つの新しいグラフ形式が追加されました。
データ型の追加: リストという新しいデータ型が導入され、より複雑なデータの扱いが可能になりました。
行列計算の強化: 行列のサイズ制限が50×50まで拡大され、より大規模な行列計算に対応できるようになりました。
アセンブリ言語プログラミング: 非公式ながら、アセンブリ言語によるプログラミングが可能になり、プログラムの性能と柔軟性が飛躍的に向上しました。

電源

電源構成はTI-81と同じで、4個の単4形乾電池とバックアップ用のリチウム電池（CR1616またはCR1620）を使用します。バックアップ電池は、乾電池交換時にプログラムが消えないようにするために備えられています。

ソフトウェアとプログラム

アセンブリ言語プログラミングの可能性が広がったことで、ユーザーコミュニティによって多くのゲームやユーティリティプログラムが開発されました。これらのプログラムは、電卓の機能をさらに拡張し、ユーザーの創造性を刺激しました。

外部リンク

Texas Instruments press release 1993年3月30日
ticalc.org – 各種プログラムのアーカイブ
CalcG.org - 各種プログラムやゲームがある

TI-82は、教育現場を中心に広く利用され、グラフ表示電卓の普及に大きく貢献しました。その堅牢な設計と高度な機能は、多くの学生や技術者に愛用されました。

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