TIGHTROPE (アルバム)

アルバム『TIGHTROPE』の概要

『TIGHTROPE』（タイトロープ）は、1986年に日本のロックバンドANTHEMによってリリースされた2枚目のアルバムです。このアルバムは、ANTHEMにとって初めての外国人プロデューサーを起用した作品であり、前作の発表からわずか9ヶ月後に世に送り出されました。この短期間での制作は、メンバーの強い意欲に支えられています。

音楽的特徴

本作では、福田洋也が多くの楽曲を手掛けている点が特徴的です。アルバム制作の過程では、所属事務所の社長である伊藤政則が述べたように、メンバーたちはクオリティに対して妥協しない姿勢で臨みました。特に、ミックス作業を担当したケン・ケーシーに対して「ラフミックスの音の方が良かった」と厳しい意見を口にし、彼を泣かせてしまったというエピソードは、彼らの音楽にかける情熱を物語っています。

また、柴田は正式に録音した音よりも、軽く収録したデモ音源の方がANTHEMらしさが出ていたと感じ、ミックスのやり直しをケンに求めた際には彼を怒らせてしまったという話が伝えられています。これらの話からも、メンバーの個々のアイデアや信念がしっかりと反映されたアルバムであることがわかります。

シングルとリリース

このアルバムには「LIGHT IT UP」という楽曲が収録されており、次のアルバム『BOUND TO BREAK』に収められている「SHOW MUST GO ON!」とともに、OVA『デビルマン 誕生編』の挿入歌として使用されました。これにより、音楽だけでなく映像作品においてもその存在感を示しています。

リリースの変遷

『TIGHTROPE』は、発売当初はLPとカセットのフォーマットでリリースされ、その後1ヶ月遅れでCDバージョンも登場しました。CD版にはボーナス・トラックとして「Back Street Groove」が追加されましたが、1999年にリリースされたリマスター盤ではこの曲は収録されていません。2005年に再リリースされたリマスター盤には、「Back Street Groove」に加えて未発表曲「Still I'm In Chain」や、前作からの楽曲も収められています。

2010年のSHM-CD版や2017年のBlu-spec CD版でもボーナス・トラックは削除されていますが、アルバム自身の持つ魅力は色あせることがありません。

収録内容

アルバムの収録曲は以下の通りです。すべての作詞は坂本英三が担当し、編曲はANTHEMが行っています。

• - VICTIM IN YOUR EYES（作曲：福田洋也）
• - NIGHT AFTER NIGHT（作曲：柴田直人）
• - DEATH TO DEATH（作曲：福田洋也）
• - TIGHTROPE DANCER（作曲：柴田直人）
• - DRIVING WIRE（作曲：福田洋也）
• - FINGER'S ON THE TRIGGER（作曲：柴田直人）
• - LIGHT IT UP（作曲：福田洋也）
• - BLACK EYED TOUGH（作曲：柴田直人）
• - BACK STREET GROOVE（作曲：福田洋也）

これまでのアルバムには盛り込まれることのなかったメンバー間の熱意が核となり、この『TIGHTROPE』はANTHEMの音楽的成長を示す重要な作品となっています。

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