TIN

TIN（ティン）とは

TIN（Triangulated Irregular Network）とは、地理情報システム（GIS）で利用される、地表面を三角形の集合で表現するデジタルデータ構造です。日本語では、不整三角形網、不整三角網、不規則三角網などとも呼ばれます。

TINの概要

TINは、地表面や海底面の物理的な形状を表現するために用いられます。X, Y, Zの3次元情報を持つ点と線が、重複のない三角形の集合として配置されることで、地形の形状を表現します。この三角形の形状は一様ではなく、地形の複雑さに応じて変化します。

TINは、一般的に数値標高モデル（DEM）や点群データから作成されます。DEMと比較した場合のTINの利点は、変化に富んだ点の配置が可能な点です。これにより、地形を正確に表現するために重要な場所に点を配置することができます。つまり、TINでは、地形の起伏が少ない場所では点の数を少なくし、起伏が大きい場所では多くの点を配置することで、効率的に地形を表現できます。

GISソフトウェアにもよりますが、TINは斜面や地形面など、地形の三次元的な形状を表現するのに適しています。TINは、多くの点を三次元上の直線で結び、三角形の頂点となるように構成されます。これにより、三角形のモザイクのような構造が形成され、三角形の面をレンダリングすることで、地形の三次元的な形状を視覚化できます。

TINの構造と特徴

TINは、基本的にドロネー三角形分割に基づいています。ドロネー三角形分割とは、三角形の各頂点が、その三角形の他の頂点を包含する円内に存在しないように三角形を分割する手法です。この手法を用いることで、三角形の形状が均一になり、より正確な地形表現が可能になります。

TINのデータの有用性は、点の位置の選定に大きく左右されます。地形の変換点、例えば山頂、斜面の末端、尾根、谷底、くぼ地、鞍部などは、TINの点を配置するのに適切な場所です。これらの場所に点を配置することで、少ないデータ量で地形の特徴を効果的に捉えることができます。

TINの利用

TINは、地形のモデリングや解析、3D可視化など、様々な用途で活用されています。例えば、土砂災害の予測や、景観シミュレーション、都市計画などに応用されています。また、地形の情報を必要とする分野では、広く利用されています。

まとめ

TINは、地理情報システムにおいて、地形を効率的に表現するための強力なツールです。変化に富んだ点の配置が可能であるため、DEMと比較して、少ないデータ量でより正確な地形表現が可能です。また、ドロネー三角形分割に基づいているため、三角形の形状が均一になり、より安定した地形表現が実現します。TINは、地形の起伏が大きい場所や、重要な地形特徴を捉える必要がある場合に、特に有効な手法と言えるでしょう。

関連項目

* ドロネー図

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