TO BE

浜崎あゆみ8thシングル「TO BE」：不朽の名曲の軌跡

1999年5月12日、浜崎あゆみの8thシングル「TO BE」がavex traxより発売されました。このシングルは、彼女にとって最後の8cmシングルというだけでなく、数々の記録やエピソードを残し、現在まで語り継がれる名曲となりました。

リリースのわずか1ヶ月前には、前作「LOVE〜Destiny〜/LOVE〜since 1999〜|LOVE〜Destiny〜_LOVE〜since 1999〜」がロングヒット中。その勢いをそのままに、「TO BE」は、浜崎あゆみが新たにJT「桃の天然水」CMキャラクターに起用されたことに伴い、タイアップ曲として大量に放映されました。このCMは華原朋美が出演した前作が流行語を生み出した流れを汲むもので、大きな話題を呼びました。

タイトルの「TO BE」は、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の有名な台詞「To be or not to be」からの引用です。「生きるべきか、死ぬべきか」という問いかけの一部を採り、「To be（生きるべき）」という肯定的な意味合いを込めたタイトルは、楽曲のテーマや浜崎あゆみの強い意志を象徴するかのようです。キャッチコピーは「君がいなきゃ何もなかった。」と、シンプルながら聴く者の心に響く言葉が選ばれました。

楽曲の構成は、「TO BE “Original Mix”」を始め、複数のリミックスバージョンが収録されています。「TO BE “Dub’s cool wind Remix”」「appears “H.W Tokyo Hard House Mix”（12cmCD再発盤のみ）」など、多様なアレンジが楽曲の魅力をさらに広げました。さらに、12cmCDの再発盤には、13thシングル「Fly high」に収録されている「Fly high」の4つのリミックスバージョンも収録されており、聴き応えのある内容となっています。「Fly high “SHARP BOYS U.K VOCAL MIX”」「Fly high “Supreme Mix”」「Fly high “SAMPLE MADNESS REMIX”」といった、それぞれ異なる個性のリミックスは、楽曲の世界観を多角的に提示しています。

「TO BE」は、その後も数々のアルバムに収録され、ライブでも繰り返し演奏されています。代表的なアルバムとしては、『LOVEppears』、『A BEST』、『A BALLADS』（2003 ReBirth Mix）、『A COMPLETE 〜ALL SINGLES〜』などがあり、『LOVEppears / appears -20th Anniversary Edition-』の初回限定生産盤にも収録されています。さらに、ライブ映像作品にも多数収録され、『ayumi hamasaki concert tour 2000 A 第1幕』、『A 50 SINGLES 〜LIVE SELECTION〜』、『ayumi hamasaki BEST LIVE BOX A』、『ayumi hamasaki COUNTDOWN LIVE 2004-2005 A』など、多くの作品でそのパフォーマンスを見ることができます。「TO BE」は、2008年の44thシングル「GREEN/Days」において、10th Anniversary versionとして新録バージョンも収録されるなど、現在まで長く愛され続ける浜崎あゆみの代表曲の一つと言えるでしょう。

「TO BE」は、単なるヒット曲にとどまらず、浜崎あゆみのキャリアにおいて重要な位置を占める楽曲です。彼女の音楽性、そして彼女自身の存在感、そして時代性を凝縮した名曲として、これからも多くの人々に聴かれ、そして語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索