TOKYO BOWL

東西大学対抗戦 「TOKYO BOWL」（トウキョウ・ボウル） は、日本の大学アメリカンフットボール界において、東西のトップレベルのチームが交流し、その実力を披露する場として設けられた親善試合です。この大会は2014年に設立され、秋季リーグ戦の佳境を迎える時期に開催される特別なボウルゲームとして位置づけられています。

大会設立の背景には、従来の大学アメフトの東西交流における事情がありました。これまで、東西の強豪校同士が直接対決する機会は、春季に行われる新チームの調整や練習を兼ねた交流戦、あるいは定期戦に限られていました。秋季シーズンにおいては、各地域で行われるリーグ戦が中心であり、全国レベルでの直接対決は、全日本大学選手権大会の決勝として開催される「甲子園ボウル」が唯一の舞台でした。これは、秋季シーズン中に東西のトップチームが甲子園ボウル以外で顔を合わせる機会がほとんどないという状況を示していました。

このような状況を踏まえ、全日本大学選手権の決勝戦である甲子園ボウルとは別に、秋季シーズンにおいても東西の注目チームが対戦できる新たな機会を提供することを目的として、TOKYO BOWLは企画されました。大会は、一般的に甲子園ボウルの開催される前週に行われます。出場チームは、その年の秋季リーグ戦で特に注目を集めたチームの中から、甲子園ボウルへの出場を決めたチームを除いた東西の有力校が招待される形式をとっています。これにより、甲子園ボウル出場チームだけでなく、他の多くの実力校にも全国的な注目を集める機会が与えられ、学生アメリカンフットボール全体の話題性を高めることが目指されています。

大会名に冠されている「TOKYO BOWL」という名称は、大会主催者によって商標登録されています。この名称には、開催を控えていた2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた機運を盛り上げること、そして国際都市としてさらなる飛躍を目指す東京のイメージと、アメリカンフットボールの力強さや躍動感を重ね合わせ、大会をより一層盛り上げたいという願いが込められています。TOKYO BOWLは、勝ち抜きによって全国一を争う公式戦のトーナメントとは異なり、招待によって出場チームが決定される形式のボウルゲームです。秋季レギュラーシーズンの期間中に開催される招待制のボウルゲームとしては、日本の大学アメフト界において他に類を見ない、唯一無二の存在となっています。

大会名称には「TOKYO」の名が含まれていますが、実際に東京都内で開催されたのは、記念すべき第一回大会（2014年）のみで、味の素スタジアムに隣接するアミノバイタルフィールドがその舞台となりました。しかし、第二回大会以降は、神奈川県内の競技場を主な開催地として開催が続けられています。これは、大会運営上の都合や会場確保の状況によるものと考えられます。

TOKYO BOWLの運営体制は、関東学生アメリカンフットボール連盟が大会を主催し、関西学生アメリカンフットボール連盟が協力をする形で東西協力体制が敷かれています。また、毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社といった主要なメディアが後援として大会を支えています。試合の模様は、ケーブルテレビ局であるスカイ・A sports+にて後日、録画中継されることが通例となっており、会場に足を運べないファンも熱戦を観戦できる機会が提供されています。

TOKYO BOWLは、秋季リーグ戦の緊迫した戦いとは異なる雰囲気の中で、東西の学生フットボーラーたちが互いの実力を試し、交流を深める貴重な機会を提供しています。甲子園ボウルという頂点を目指す戦いとはまた違う形で、学生アメフトの魅力を全国に発信する重要なイベントの一つとして、その存在感を確立しています。

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