TOKYO-POP

映画『TOKYO-POP』の概要

『TOKYO-POP』は、1988年に制作されたアメリカと日本の合作映画である。この作品は音楽をテーマに、アメリカ人の少女ウェンディーと日本のロックバンドのボーカリスト、山口ヒロの交流を描写している。特に、アメリカの風習と東京のライフスタイルの対比、さらには二人の愛の物語が興味深く結びつけられている。

主要キャストとスタッフ

主人公のウェンディー役を演じるのはキャリー・ハミルトンであり、ヒロ役は田所豊（現在のダイアモンド☆ユカイ）が務めている。また、ジーナ・ベラフォンテや丹波哲郎など、多彩なキャストが登場する。監督兼脚本を手掛けたのはフラン・ルーベル・クズイで、メタルバンドX（現在のX JAPAN）もカメオ出演している。

この映画は、上映後も評価され続け、2023年8月4日には4K復元版としてアメリカの20都市で順次リバイバル上映された。また、イギリスとフランスでも公開され、10月30日には第36回東京国際映画祭での上映も予定されている。8月のチャイニーズ・シアターでのプレミア上映には、監督やプロデューサー、さらには故キャリー・ハミルトンの母親も出席し、話題が集まった。

あらすじ

物語は、ウェンディー・リードという名の少女が母国アメリカに恋人を残し、東京での女性の友人を訪ねるつもりで旅立ったことから始まる。しかし、予定は狂い、彼女は未だ広く知られていないポップバンドのボーカリストであるヒロと出会う。ブロンドの長髪を持つ背の高い彼女は、東京の街で目を引く存在となり、次第にヒロと恋に落ちる。

物語が進むにつれて、ウェンディーはヒロとの関係を深めながら、音楽シーンでの成功も収めていく。ウェンディーはやがてレコード会社のプロデューサーの目に留まり、短期間ではあるが成功と共に贅沢な生活を享受することになる。しかし、二人の心は次第に離れていき、最終的には恋が終わりを迎えてしまう。

この映画における「TOKYO-POP」とは、バンドが一時的にヒットを飛ばすものの、その後永遠に消える瞬間的なビジネスを指している。この結果、ウェンディーはより安定した職を求めてアメリカに帰国し、ヒロとはかけがえのない思い出を残すものの、それぞれ別々の道を歩むことになる。ヒロは彼女の力を借りずとも、素晴らしい作曲家としての道を切り開いていく。

スタッフ

• - 監督・脚本: フラン・ルーベル・クズイ
• - 製作総指揮: ジョナサン・オルスバーグ
• - 製作: 葛井克亮、ジョエル・チューバー
• - 共同脚本: リン・グロスマン
• - 撮影: ジェームズ・ヘイマン
• - 音楽: アラン・ブリューワー
• - 美術: 細石照美
• - 編集: カミーラ・トニオロ

キャスト

• - キャリー・ハミルトン: ウエンディ
• - 田所豊: ヒロ
• - その他の出演者: 大山大介、小林宏史、殿山泰司、春川ますみ、三上博史、安岡力也 など

補足

オープニングタイトルは著名なアーティスト、キース・ヘリングが手掛けた。また、ヒロの役には当初、尾崎豊も候補に上がったが、実現しなかった。 この映画は、音楽と恋愛を通じて異文化を体験させてくれる魅力的な作品である。

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