TOZY

シンガーソングライターTOZY（トージー）は、1974年8月17日に兵庫県加古川市に生まれた。音楽家としての活動を核としながら、その表現の場は多岐にわたる。楽曲提供はもちろんのこと、役者、タレント、ラジオパーソナリティーとしても活躍し、幅広い分野で才能を発揮している。

彼が音楽の道を志すきっかけとなったのは、幼い頃からの歌への情熱と、放浪の旅の途中での特別な出会いだった。アメリカや北海道などを巡る中で、ある女性からかけられた「あなたの唄に出会えてよかった」という言葉に強い衝撃を受け、自身の歌が人々に与える影響を実感。これを機に、本格的に歌唱活動へ情熱を傾けることとなる。

異色の経歴を持つTOZY氏は、かつて車塗装職人として働いていたが、27歳で安定した職を辞し、音楽の道一本で生きることを決意した。彼のライブパフォーマンスは、単なる歌唱にとどまらない。心に響く歌声と共に、巧みな話術で観客を引きつけ、時に会場を爆笑させ、また時に感動の涙を誘う。その人間味あふれる温かいステージは、「心の修理屋」という愛称で親しまれるようになった。そのトークの面白さは、かつてライブを観た島田紳助氏にも「喋りおもろい」と言わしめたほどだ。

彼の活動の根底には、「すべてはあなたの笑顔のために」という揺るぎないモットーがある。この言葉は、彼の音楽制作やライブパフォーマンス、そして多岐にわたる表現活動すべてに通じる指針となっている。

TOZY氏の情熱的な取り組みを示すエピソードの一つに、南明奈とスーパーマイルドセブンへの楽曲提供がある。特にデビュー曲「I believe 〜夢を叶える魔法の言葉〜」の作曲依頼を受けた際には、アイドルの世界を深く理解するため、半年間もの期間をかけて研究に没頭したという。本人はこの時のことを「死に物狂い」と振り返っており、その並々ならぬ努力の結果、この曲は2009年6月21日付のオリコンデイリーランキングで堂々の1位を獲得した。この成功体験を通じて、「自分は特別な才能があるわけではない普通の人間だが、必死に努力すれば夢は掴めるのだと強く実感した」と語っている。

自身の作品としては、ミニアルバム『ひねくれの凡人』、『あたたかい人』、『MUSIC BAKABON』などをリリースし、シンガーソングライターとしてのメッセージを発信し続けている。また、他のアーティストへの楽曲提供も数多く手掛けており、南明奈とスーパーマイルドセブン、里田まい with 合田家族、新選組リアン、崎本大海といった人気芸能人への楽曲提供や、サーターアンダギーの作詞・作曲なども担当している。

音楽以外の活動も非常に幅広く、松竹映画『埼玉家族』の一編である「ハカバノート」の音楽制作や、アニメ『ラブリームービー いとしのムーコ』のBGM作曲といった映像音楽分野でも活躍。様々な企業のCMソングや、プロサッカーチーム（バンディオンセ加古川）の応援歌、公共団体のテーマソングなども手掛けている。さらに表現者として、フジテレビ『クイズ!ヘキサゴンII』やTBS『紳助社長のプロデュース大作戦!』などの人気テレビ番組に出演したり、ドラマやラジオ番組でも活動するなど、その活躍の場は音楽業界に留まらない。

「心の修理屋」TOZY氏の、人々の心に寄り添う温かい音楽とメッセージ、そしてジャンルを超えた精力的な活動は、「すべてはあなたの笑顔のために」というモットーの下、これからも多くの人々に希望と感動を与え続けるだろう。今後のさらなる活動展開が期待される表現者である。

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