TPP反対デモ

TPP反対デモ：環太平洋連携協定への異議申し立て

TPP（環太平洋パートナーシップ協定）反対デモは、協定への参加に反対する人々が、交渉参加国で実施した抗議活動です。これらのデモは、協定がもたらす影響に対する幅広い懸念を反映し、多様な参加者によって特徴づけられました。

各国の状況

アメリカ合衆国

アメリカでは、大統領貿易促進権限（TPA）法案の審議に先立ち、2015年4月20日にワシントンでデモが行われました。アメリカ労働総同盟・産業別組合会議（AFL-CIO）をはじめとする労働組合関係者数百人が参加し、協定が労働者の権利や雇用に与える影響に対する懸念を示しました。

日本

日本においては、2011年下旬から、TPP加入によって打撃を受けると主張する農業従事者などを中心に、デモ活動が活発化しました。2011年10月26日には、東京で全国から約3000人が集結する大規模なデモが実施されました。札幌、前橋、宮崎などでも同様の活動が行われ、数千人規模の参加者を集めた地域もありました。

TPPへの反対は、左右のイデオロギーを超えた広がりを見せ、極左暴力集団とみなされる中核派や全学連も反対運動に参加しました。

2012年4月25日には、「STOP TPP! 1万人キャンドル集会」が日比谷野外音楽堂で開催され、市民や複数の団体から約5000人が参加しました。

新たな動きとして、TPP交渉差し止め・違憲訴訟の会が設立され、超党派の国会議員や民間人が連携し、TPP参加表明の即時撤回を訴えました。会長は岩月浩二氏が務めました。

自民党政権下でもデモは継続され、2015年1月24日には東京で設立総会が開かれました。会長によると、会員数は2400人に達し、多くの超党派議員や財界人が参加しました。その後も会員数は増加し、4月末には3291人に達しました。

2015年5月15日には、同会員の1063人が、国を相手に交渉差し止めと違憲確認を求める訴訟を東京地方裁判所に起こしましたが、2017年6月7日に東京地裁は訴えを退けました。

ニュージーランド

ニュージーランドでも反対デモが行われ、2016年2月にオークランドで開催されたTPP署名式典では、デモ隊と警察隊が衝突し、一時的に市内が混乱する事態となりました。

TPP反対デモは、単なる抗議活動にとどまらず、経済、社会、政治にわたる広範な議論を巻き起こしました。参加者の多様性は、TPPが多岐にわたる利害関係者に影響を与えることを示しており、その影響に対する深い懸念を浮き彫りにしました。

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