Team申
俳優・佐々木蔵之介が単独で主宰する演劇ユニット、Team申（チームさる）は、2005年に本格的な活動をスタートさせました。ユニット名には、主宰である佐々木が申年生まれであることに由来しています。これまでに本公演として5作品、加えて複数の番外公演を上演し、独自の演劇世界を展開しています。
Team申の誕生は、長年映像作品を中心に活躍してきた佐々木蔵之介が、自身の原点である舞台への深い思いを再燃させたことに端を発します。彼は、「観客の息遣いまで感じられるほど緊密な空間で、互いに響き合うような舞台を創りたい」という強い願いを持っていました。また、才能あふれる若手演劇人と共に、これまでにない新しい表現を模索することも設立の重要な動機となりました。映像畑での経験を活かしつつ、舞台ならではのライブ感を追求する佐々木の演劇に対する情熱が、Team申の活動の根幹にあります。
このユニットの大きな特徴の一つは、脚本や演出に将来性豊かな若手クリエイターを積極的に起用している点です。特に、初期にはモダンスイマーズの蓬莱竜太氏やイキウメの前川知大氏といった、当時まだ広く知られてはいなかった才能に白羽の矢を立てました。Team申での作品上演は、彼らのキャリアにおいて重要な転機となり、蓬莱氏は自身の戯曲が映画化されるなど活躍の場を広げ、前川氏は読売演劇大賞の優秀演出家賞を3年連続で受賞するなど、その実力を高く評価されるきっかけとなりました。主宰自らも役者として舞台に立ち、気鋭の演出家との密なコラボレーションを通じて、観客を惹きつける質の高い演劇を追求しています。初期の公演に二人芝居が多いのも特色の一つです。
Team申の活動は、三鷹市芸術文化センターのプロデューサーから佐々木蔵之介に寄せられた、劇場での新たな挑戦への提案から始まりました。このオファーを受けた佐々木は、劇団モダンスイマーズの舞台に感銘を受け、その作家・演出家である蓬莱竜太氏に協力を依頼することを決めました。
最初のプロデュース公演は、2005年6月に三鷹市芸術文化センターで上演された『時には父のない子のように』です。この作品では、佐々木蔵之介と事務所の後輩である佐藤隆太氏が二人芝居に挑みました。この公演から正式に「Team申」というユニット名が使われるようになります。ユニット名が佐々木の干支に由来することは広く知られていますが、この第1回公演の共演者である佐藤氏も同じ申年生まれだったのは興味深い偶然です。
第1回公演の成功と好評を受け、第2弾が企画されます。佐々木は、劇団イキウメの舞台に触れて感銘を受けた前川知大氏に次作の作・演出を依頼。2007年11月からTeam申第2回公演『抜け穴の会議室』が赤坂RED/THEATERなどで上演されました。これも前作同様、二人芝居の形式が取られました。
続く2009年8月には、PARCO劇場を皮切りにTeam申第3回公演『狭き門より入れ』が上演されます。再び前川知大氏が作・演出を担当し、多人数での群像劇に挑みました。この公演には、佐々木と大河ドラマで共演した市川亀治郎氏（当時）が現代劇に初挑戦したことでも話題となりました。『狭き門より入れ』は演劇界で高く評価され、2010年には主演の佐々木蔵之介氏が読売演劇大賞の優秀男優賞を、前川知大氏が同大賞の優秀演出家賞を受賞しました。
2010年12月からは、PARCO劇場にてTeam申第4回公演として『抜け穴の会議室〜Room No.002〜』が上演されました。これは第2回公演の改訂再演となります。
また、本公演の合間には、朗読劇という形で番外公演も積極的に行われています。2011年から2013年にかけて、「今、僕らが出来ること」と題した朗読劇が3回実施され、佐々木蔵之介氏を中心に、過去のTeam申参加メンバーらが出演しました。
本公演としては、第4回から約11年の期間が空き、2021年7月から8月にかけてTeam申第5回公演『君子無朋（くんしにともなし）～中国史上最も孤独な『暴君』雍正帝～』が上演されました。この作品では、脚本に阿部修英氏、演出に東憲司氏という新たなクリエイターを迎えています。
Team申は、主宰である佐々木蔵之介氏の演劇への揺るぎない情熱と、彼が見出し共に作品を創り上げてきた才能豊かなクリエイターたちの力が融合することで、常に観客との「緊密な距離」で、新しい表現の探求を続けています。
第1回公演『時には父のない子のように』
出演：佐々木蔵之介、佐藤隆太
作・演出：蓬莱竜太
公演時期：2005年6月
主な会場：三鷹市芸術文化センター、京都府立文化芸術会館
第2回公演『抜け穴の会議室』
出演：仲村トオル、佐々木蔵之介
作・演出：前川知大
公演時期：2007年11月 - 12月
主な会場：赤坂RED/THEATER 他
第3回公演『狭き門より入れ』
主な出演：佐々木蔵之介、市川亀治郎（当時） 他
作・演出：前川知大
公演時期：2009年8月 - 9月
主な会場:PARCO劇場 他
第4回公演『抜け穴の会議室〜Room No.002〜』
出演：大杉漣、佐々木蔵之介
作・演出：前川知大
公演時期：2010年12月 - 2011年1月
主な会場：PARCO劇場 他
番外公演（朗読劇）：3回実施
2011年『家守綺譚』、2012年『幻色江戸ごよみ』、2013年『お文の影』『野槌の墓』
主な出演：佐々木蔵之介、市川（亀治郎／猿之助） 他
主な会場：森ノ宮ピロティホール、PARCO劇場、春秋座、さくらホール
構成・演出：長部聡介
第5回公演『君子無朋（くんしにともなし）～中国史上最も孤独な『暴君』雍正帝～』
主な出演：佐々木蔵之介、中村蒼 他
脚本：阿部修英
演出：東憲司
公演時期：2021年7月 - 8月
* 主な会場：東京芸術劇場 シアターウエスト 他
設立背景と思想
Team申の誕生は、長年映像作品を中心に活躍してきた佐々木蔵之介が、自身の原点である舞台への深い思いを再燃させたことに端を発します。彼は、「観客の息遣いまで感じられるほど緊密な空間で、互いに響き合うような舞台を創りたい」という強い願いを持っていました。また、才能あふれる若手演劇人と共に、これまでにない新しい表現を模索することも設立の重要な動機となりました。映像畑での経験を活かしつつ、舞台ならではのライブ感を追求する佐々木の演劇に対する情熱が、Team申の活動の根幹にあります。
特徴
このユニットの大きな特徴の一つは、脚本や演出に将来性豊かな若手クリエイターを積極的に起用している点です。特に、初期にはモダンスイマーズの蓬莱竜太氏やイキウメの前川知大氏といった、当時まだ広く知られてはいなかった才能に白羽の矢を立てました。Team申での作品上演は、彼らのキャリアにおいて重要な転機となり、蓬莱氏は自身の戯曲が映画化されるなど活躍の場を広げ、前川氏は読売演劇大賞の優秀演出家賞を3年連続で受賞するなど、その実力を高く評価されるきっかけとなりました。主宰自らも役者として舞台に立ち、気鋭の演出家との密なコラボレーションを通じて、観客を惹きつける質の高い演劇を追求しています。初期の公演に二人芝居が多いのも特色の一つです。
来歴
Team申の活動は、三鷹市芸術文化センターのプロデューサーから佐々木蔵之介に寄せられた、劇場での新たな挑戦への提案から始まりました。このオファーを受けた佐々木は、劇団モダンスイマーズの舞台に感銘を受け、その作家・演出家である蓬莱竜太氏に協力を依頼することを決めました。
最初のプロデュース公演は、2005年6月に三鷹市芸術文化センターで上演された『時には父のない子のように』です。この作品では、佐々木蔵之介と事務所の後輩である佐藤隆太氏が二人芝居に挑みました。この公演から正式に「Team申」というユニット名が使われるようになります。ユニット名が佐々木の干支に由来することは広く知られていますが、この第1回公演の共演者である佐藤氏も同じ申年生まれだったのは興味深い偶然です。
第1回公演の成功と好評を受け、第2弾が企画されます。佐々木は、劇団イキウメの舞台に触れて感銘を受けた前川知大氏に次作の作・演出を依頼。2007年11月からTeam申第2回公演『抜け穴の会議室』が赤坂RED/THEATERなどで上演されました。これも前作同様、二人芝居の形式が取られました。
続く2009年8月には、PARCO劇場を皮切りにTeam申第3回公演『狭き門より入れ』が上演されます。再び前川知大氏が作・演出を担当し、多人数での群像劇に挑みました。この公演には、佐々木と大河ドラマで共演した市川亀治郎氏（当時）が現代劇に初挑戦したことでも話題となりました。『狭き門より入れ』は演劇界で高く評価され、2010年には主演の佐々木蔵之介氏が読売演劇大賞の優秀男優賞を、前川知大氏が同大賞の優秀演出家賞を受賞しました。
2010年12月からは、PARCO劇場にてTeam申第4回公演として『抜け穴の会議室〜Room No.002〜』が上演されました。これは第2回公演の改訂再演となります。
また、本公演の合間には、朗読劇という形で番外公演も積極的に行われています。2011年から2013年にかけて、「今、僕らが出来ること」と題した朗読劇が3回実施され、佐々木蔵之介氏を中心に、過去のTeam申参加メンバーらが出演しました。
本公演としては、第4回から約11年の期間が空き、2021年7月から8月にかけてTeam申第5回公演『君子無朋（くんしにともなし）～中国史上最も孤独な『暴君』雍正帝～』が上演されました。この作品では、脚本に阿部修英氏、演出に東憲司氏という新たなクリエイターを迎えています。
Team申は、主宰である佐々木蔵之介氏の演劇への揺るぎない情熱と、彼が見出し共に作品を創り上げてきた才能豊かなクリエイターたちの力が融合することで、常に観客との「緊密な距離」で、新しい表現の探求を続けています。
上演作品一覧
第1回公演『時には父のない子のように』
出演：佐々木蔵之介、佐藤隆太
作・演出：蓬莱竜太
公演時期：2005年6月
主な会場：三鷹市芸術文化センター、京都府立文化芸術会館
第2回公演『抜け穴の会議室』
出演：仲村トオル、佐々木蔵之介
作・演出：前川知大
公演時期：2007年11月 - 12月
主な会場：赤坂RED/THEATER 他
第3回公演『狭き門より入れ』
主な出演：佐々木蔵之介、市川亀治郎（当時） 他
作・演出：前川知大
公演時期：2009年8月 - 9月
主な会場:PARCO劇場 他
第4回公演『抜け穴の会議室〜Room No.002〜』
出演：大杉漣、佐々木蔵之介
作・演出：前川知大
公演時期：2010年12月 - 2011年1月
主な会場：PARCO劇場 他
番外公演（朗読劇）：3回実施
2011年『家守綺譚』、2012年『幻色江戸ごよみ』、2013年『お文の影』『野槌の墓』
主な出演：佐々木蔵之介、市川（亀治郎／猿之助） 他
主な会場：森ノ宮ピロティホール、PARCO劇場、春秋座、さくらホール
構成・演出：長部聡介
第5回公演『君子無朋（くんしにともなし）～中国史上最も孤独な『暴君』雍正帝～』
主な出演：佐々木蔵之介、中村蒼 他
脚本：阿部修英
演出：東憲司
公演時期：2021年7月 - 8月
* 主な会場：東京芸術劇場 シアターウエスト 他
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