Ten (パール・ジャムのアルバム)

パール・ジャム - Ten

パール・ジャムのデビューアルバム『Ten』は、1991年にリリースされ、バンドのキャリアを決定づけた作品です。アメリカのBillboard 200チャートで最高2位、イギリスでは18位を記録し、世界中で大きな成功を収めました。ニールセン・サウンドスキャンによると、アメリカ国内での累計販売枚数は1000万枚を突破し、RIAA（アメリカレコード協会）からは1300万枚相当のマルチプラチナム×13に認定されています。

2009年には、リマスター版がリリースされ、ブレンダン・オブライエンによるリミックスとボーナストラックが追加されました。これにより、オリジナル版とは異なる新たな魅力を引き出しています。

制作の背景

アルバムは1991年、シアトルにあるロンドン・ブリッジ・スタジオで約1ヶ月かけて録音されました。プロデューサーはリック・パラシャーが担当しました。発売当初はチャートアクションが芳しくありませんでしたが、同じシアトル出身のニルヴァーナが『ネヴァーマインド』で大成功を収めたことで、パール・ジャムにも注目が集まりました。その結果、『Ten』は徐々にチャートを上昇し、1年後には全米2位に到達しました。ドラマーのデイヴ・クルーセンは、アルバム発売前にバンドを脱退しています。

楽曲について

「Jeremy」は、エディ・ヴェダーが新聞記事で読んだ、教室で少年が銃で自殺した事件に着想を得て作られました。彼はその出来事を、自身が過去に目撃した、いじめを受けていたクラスメイトの記憶と重ね合わせ、歌詞を書き上げました。

「Once」と「Alive」は、バンド結成前にボーカリストとドラマーを募集するために作成された5曲のデモテープに収録されていた楽曲です。ジャック・アイアンズからそのデモテープを渡されたヴェダーは、歌詞を書き加え、ボーカルをオーバーダビングし、バンドに加入するきっかけとなりました。

評価

アルバムの完成度については、結成後間もない時期のレコーディングだったため、評価が分かれることもあります。しかし、近親相姦関係に悩む男が殺人鬼と化し、死刑にされるまでを描いたとされる三部作や、「Black」などの楽曲において、ヴェダーの才能が早くも開花していると評価されています。

デビューアルバムとしては驚異的な売り上げを記録したにもかかわらず、当時の日本では「のっぺりしている」「メリハリがない」「従来のヘヴィ・ロックとの差異が見受けられない」といった批判を受けました。そのため、日本での評価が確立するまでには時間を要しました。

『ローリング・ストーン』誌が選んだ「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では160位、「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」では46位にランクインしています。これらのランキングは、本作が音楽史において重要な作品であることを示しています。

収録曲

Once
Even Flow
Alive
Why Go
Black
Jeremy
Oceans
Porch
Garden
Deep
Release

レコーディング・メンバー

エディ・ヴェダー - ボーカル
マイク・マクレディ - リードギター
ストーン・ゴッサード - リズムギター
ジェフ・アメン - ベースギター
デイヴ・クルーセン - ドラムス

参加ミュージシャン

Walter Gray (Cello)
Rick Parashar (Piano, Organ, Percussion)

スタッフ

Rick Parashar (Producer)
Tim Palmer (Mixing)
Bob Ludwig (Mastering)
Lance Mercer (Photos)
* Lisa Sparagano, Risa Zaitschek (Design)

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