Terragen

Terragen(テラジェン)とは



Terragenは、Planetside Software社によって開発された、リアルな景観を3DCGで作成するためのソフトウェアです。Matt Fairclaugh氏らが中心となり開発が進められました。写真のような空気感を再現した、非常にリアルなグラフィックを作成できる点が特徴です。

バージョンの種類



Terragenは大きく分けて、旧バージョンのTerragen Classicと、Terragen 2以降の新バージョンの2種類があります。新バージョンでは、プレビュー画面でのリアルタイムレンダリングや、ノードベースでのパラメータ設定など、ユーザーインターフェースや設定方法が大きく変更されています。

Terragen 4について



Terragen 4は、商用利用を除き無料で利用できますが、無料版にはレンダリングサイズなどの制限があります。

レンダリングサイズ: 最大1280x900
Render Detail: 最大0.6
アンチエイリアス: 最大6
Rendered Populations: 最大3
Render Detail for Micropolygon Export: 最大0.1
アニメーション作成機能: なし

商用版には、フル機能のProfessional版(699ドル)と、一部制限のあるCreative版(349ドル)があります。また、オブジェクト素材データなどを同梱したパッケージも販売されています。

活用事例



Terragenの基礎技術は、デジタルドメイン社で研究されており、コマーシャル、テレビゲーム、映画など幅広い分野で利用されています。映画では、『タイムマシン』(2002年)、『ネメシス/S.T.X|ネメシス_S.T.X』(2002年)、『ステルス』(2004年)、『硫黄島からの手紙』(2006年)、『デイ・アフター・トゥモロー』、『スター・ウォーズ』シリーズ、『怪盗グルーのミニオン大脱走』など、多くの作品で実際のCG制作に活用されています。

Terragenのレンダリング要素



新バージョンのTerragenでは、以下の要素ごとにパラメータを設定し、それらをノードネットワークで関連付けることで、フォトリアルな画像をレンダリングできます。

オブジェクト



外部からインポートした3Dモデルを配置できます。単体での配置はもちろん、同じオブジェクトや複数のオブジェクトを大量に配置することも可能です。

地形



ハイトフィールドを設定することで、地形を作成できます。フラクタルを用いて自動生成するほか、DEM(数値標高モデル)などのデータを利用して、リアルな地形を再現することも可能です。

シェーダー



地面の色や質感を設定できます。高度や領域別に設定したり、ノイズを加えることで、リアルな岩肌や草原などを表現できます。

水域



のような水域を設定できます。水の透明度や反射率などを設定することで、リアルな水面を表現できます。ただし、設定できるのは特定の高度や領域まで水で満たすような水域に限られるため、岳地帯に沿った河のような水域を作成するのは難しいです。

大気



大気の質感や雲などを設定できます。光源の透過率やレイリー散乱による色の変化などを設定することで、水蒸気量による空気感の違いや夕焼け空などを表現できます。また、雲の厚さや雲量なども設定可能です。

光源



太陽光の位置や強さ、色などを設定できます。複数の太陽光源を設定したり、影の落とし方、環境光なども調整できます。

カメラ



レンダリングする際のカメラの画角や位置を設定できます。魚眼レンズなどの効果や、ぼかし、露光量なども調整可能です。

レンダリング



レンダリング解像度や、地形や雲などの要素ごとにレンダリングの可否を設定できます。また、アンチエイリアスの有無なども設定可能です。

Terragen 4の主な変更点



2016年9月23日に、Terragen 3からメジャーバージョンアップが行われました。主な変更点として、オゾン層による太陽光吸収の変化、ボクセルを用いた雲の表現力向上、外部モデルのレンダリング改良などが挙げられます。

エディション



Free
Creative
Professional

Terragen 2について



Terragen 2は、旧バージョンから大幅に機能が拡張された次世代バージョンです。開発当初はTG2と略称されていました。Terragen D/TGDと混同されることがありますが、TGDは新しいレンダリングエンジンの名称です。Terragen 2では、星や植物(オブジェクト)のレンダリングが可能になりました。

リリース時期



2007年から2008年にかけてTechnology Preview版がリリースされ、2008年11月にDeep Edition Beta版(商用利用)、12月にFree (Non-Commercial) Edition Beta版(無料)がリリースされました。その後、2009年4月2日に購入者向け先行リリース、一般ユーザー向けにもリリースされています。

システム要件



Windows



OS: Windows 2000/XP/Vista
メモリ: 必須1GB、推奨4GB
CPU: 必須1GHz、推奨2GHz Dual Core

Mac OS X



OS: Mac OS X 10.4以降
メモリ: 必須1GB、推奨4GB
CPU: 必須1GHz、推奨 Intel Dual Core 2GHz

Terragen 2 のエディション



Free Non-Commercial Edition
Deep Edition
Deep Edition with Animation

Terragen Classicのレンダリング要素



旧バージョンのTerragen Classicは、「地形」「表面」「光源/大気」「水面」の4つの要素で構成されています。

地形



ハイトマップを使用し、地形を表現します。ハイトマップは、地形の各点に高度を割り当てるデータで、通常地形と呼ばれます。

表面



表面は、Terragen内部のサーフェースシステムで表現されます。複数のレイヤーで構成され、腹の傾斜や高さ、色などによってレイヤーを管理できます。例えば、草を生やすレイヤーを重ねることで、平坦な場所に自然な草地を表現できます。

光源/大気



大気は、ランダムな雲やテクスチャレイヤー、立体物で表現できます。光源と大気を調整することで、夕焼けや霧など、風景の雰囲気を大きく変えることができます。

水面



水面は、リアルな反射と透明度を表現できる、Terragenの中でも特にリッチな要素です。自然な波をシミュレーションし、海岸線で泡立つ様子を再現できます。

バージョンの変遷



2005年9月7日:Terragen Ver.0.9.43 リリース

2006年:Terragen 2 発表

2006年12月15日:Terragen 2 Technology Preview(Build 1.8.64.0) リリース

2007年3月16日:Terragen 2 Technology Preview アップデート(Build 1.8.76.0)

2007年9月28日:Terragen 2 Technology Preview アップデート(Build 1.9.04.1)

2008年:Terragen 2 Technology Preview 2 リリース

2008年4月29日:Terragen 2 Technology Preview 3 (Build 1.9.88.1) リリース

2008年6月30日:Terragen 2 Technology Preview 4 (Build 1.9.98.1) リリース

2008年7月18日:Terragen 2 Technology Preview 5 (Build 1.9.99.1) リリース

2008年11月10日:Terragen 2 Deep Edition Beta (Build 1.10.23.1) リリース

2008年12月6日:Terragen 2 Free Non-Commercial Edition Beta (Build 1.10.23.1) リリース

2009年4月2日:購入者向けに Terragen 2 Deep Edition, Deep Edition with Animation (Build 2.0.1.1) リリース

2009年4月12日:購入者向けに Terragen 2 アップデート (Build 2.0.2.1)

2009年4月27日:一般ユーザー向けに Terragen 2 Free Non-Commercial Edition (Build 2.0.3.1) リリース

2009年12月15日:購入者向けに Terragen 2.1 (Build 2.1.18.1) リリース

2010年3月1日:一般ユーザー向けに Terragen 2.1 Free Non-Commercial Edition (Build 2.1.18.1) リリース

2010年11月27日:購入者向けに Terragen 2.2 リリース

2011年1月31日:一般ユーザー向けに Terragen 2.2 Free Non-Commercial Edition リリース

2011年4月21日:購入者向けに Terragen 2.3 リリース

2011年7月1日:一般ユーザー向けに Terragen 2.3 Free Non-Commercial Edition リリース

2013年8月23日:Terragen 3.0.10.0 リリース

2014年2月23日:Terragen 3.1 リリース

2014年2月23日:Terragen 3.2 リリース

2015年8月8日:Terragen 3.3 リリース

2016年3月17日:Terragen 3.4 リリース

2016年9月23日:Terragen 4.0 リリース

2016年9月23日:Terragen 4.0.01.0 リリース

2016年11月2日:Terragen 4.0.04 リリース

2017年7月25日:Terragen 4.1.11 リリース

2018年7月10日:Terragen 4.2.10 リリース

2018年11月16日:Terragen 4.3.16 リリース

関連項目



3DCGソフトウェア
レンダリング (コンピュータ)
フラクタル地形

脚注




外部リンク



Planetside
Planetside公式フォーラム
Terragen 4 日本語 wiki

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。