TextPad

TextPadについて

TextPadは、1992年にリリースされたWindowsオペレーティングシステム向けのテキストエディタです。Helios Software Solutionsによって開発・販売されており、長年にわたり多くのユーザーに利用されています。

主な機能

TextPadには、テキスト編集を効率化するための様々な機能が搭載されています。

ブロック字下げと自動字下げ: コードやテキストの構造を整えるのに役立ちます。
正規表現による検索と置換: Perl互換の正規表現を利用した高度な検索・置換が可能です。複数行にまたがるパターンにも対応しています。
キーストロークマクロと正規表現: マクロ機能と正規表現を組み合わせることで、複雑な編集作業を自動化できます。
シンタックスハイライト: プログラミング言語など、様々な構文に対応したハイライト表示が可能です。アドオンによって対応言語を拡張できます。
外部プログラム連携: コンパイラなどの外部プログラムを呼び出すことができます。プログラムの出力結果を正規表現で解析し、エラー箇所の行番号へジャンプするなどの連携も可能です。Java JDKがインストールされていれば自動連携も行えます。
大容量ファイル対応: 仮想メモリを利用して、非常に大きなファイルも編集できます。
複数ファイル編集: 複数のファイルを同時に開き、タブで切り替えながら編集できます。
ブロック選択モード: 矩形範囲でのテキスト選択が可能です。
複数ファイル同期スクロール: 複数ファイルの同じ位置を同時に表示できます。
クリップライブラリー: よく使うテキストの断片を登録し、文書に挿入できます。
クリップボードヒストリー: クリップボードの履歴を管理し、過去にコピーした内容を再利用できます。
ブックマーク機能: 行単位でブックマークを設定し、特定の行をコピーしたり、他の文書にペーストしたりできます。

クリップライブラリー

クリップライブラリーは、TextPadのサイドバーに表示される機能の一つで、頻繁に使用するテキストの断片を保存し、簡単に挿入できます。クリップ名をダブルクリックするだけで、テキストを文書に挿入できます。

TextPadには、ANSI文字、HTML文字、HTMLタグなど、いくつかの事前定義されたクリップライブラリーが用意されています。特に便利なのが「クリップボードヒストリー」で、クリップボードにコピーしたテキストの履歴を一覧表示できます。標準のWindowsクリップボードでは1つの内容しか保持できませんが、TextPadのクリップボードヒストリーを利用すれば、過去にコピーした内容にアクセスできます。ユーザー自身でクリップライブラリーを作成したり、アドオンとして提供される様々なクリップライブラリーを導入することも可能です。

サポート体制

Helios Software SolutionsはTextPadのサポートを提供しています。まずはFAQやTipsで問題解決を試すことを推奨しており、多くの疑問はWebサイトで解決できます。また、ユーザーコミュニティであるTextPadフォーラムも活用できます。

批判点

TextPadに対する批判の多くは、開発元であるHelios Software Solutionsの対応に関するものです。2004年のTextPad 4.7.3リリース時、Heliosが「TextPadは開発を継続している」という短い声明を出したため、多くのユーザーが開発が終了したと誤解しました。しかし3年後の2007年にTextPad 5.0がリリースされ、その後は定期的なアップデートが行われています。ただし、TextPad 5.0のリリース時には、バグが多くベータ版と見まがう品質だったと批判を受けました。Heliosは1ヶ月後に修正版をリリースしましたが、最新版である5.2.0においてもUnicodeに完全対応していない点が指摘されています。UTF-8やUTF-16のファイルのロード・セーブは可能ですが、内部処理はUnicodeを使用していません。

WildEdit

Helios Software Solutionsは、TextPadの他にWildEditというツールも提供しています。WildEditは、同一フォルダ内の複数のテキストファイルに対して、同じ編集をまとめて行うことができる対話型のツールです。

TextPadとWildEditは、無料で評価版を利用できますが、シェアウェアであることが明記されていません。ただし、オンラインヘルプにはシェアウェアである旨が記載されています。

参考文献

textpad.com
Quick reference card for TextPad