The 9th Wave

アルバム『ザ・ナインス・ウェーブ』の概要

松田聖子の11枚目のオリジナル・アルバムである『ザ・ナインス・ウェーブ』は、1985年6月5日にCBSソニーからリリースされました。本作は、聖子の音楽キャリアにおける重要な作品であり、ヒットシングル「天使のウィンク」や「ボーイの季節」をはじめとして全10曲が収められています。特に「天使のウィンク」と「ボーイの季節」は、彼女の代表的な楽曲として広く知られています。

このアルバムは、当時のサウンドガイドにもなったマスターサウンド仕様盤としてもリリースされており、最先端の音質が楽しめるのが特徴です。聖子は、過去のアルバムでほとんどの作詞を担当していた松本隆が参加していない本作において、すべての曲の作詞を女性作家が手がけている点も注目すべきポイントです。これにより、歌詞には新鮮さが感じられます。

タイトルと主な楽曲

アルバム全体にわたって、聖子の明るく爽やかなサウンドが広がります。中でも、尾崎亜美が提供した3曲には、彼女自身もコーラスで参加しており、さらに奥行きのある音楽体験を提供しています。また、アルバムの最後のトラック「夏の幻影」では、聖子が今まで大切にしてきた音楽の世界を感じさせる波の音と共に「Good bye」という歌詞が流れます。

聖子のデビュー曲「裸足の季節」と対になる「ボーイの季節」の収録も話題です。これらの楽曲には、彼女の成長と変化が反映されており、聴く者を引き込む魅力があります。

音楽的背景とアレンジ

大村雅朗が全編曲を担当している本作では、シンセサイザーの打ち込みが多用され、当時流行していた音楽スタイルを取り入れています。大村は他のアーティストの楽曲とも並行して作業をしており、彼のシンセドラムの使用が本アルバムにも色濃く表れています。この時期、松田聖子の音楽スタイルはシンセサイザーを基盤とした現代的なサウンドへと進化しており、聴く者の耳を楽しませます。

受けた影響

このアルバムは、聖子の結婚とそれに伴う休業前の最後のオリジナルアルバムとなり、ファンにとっては特別な意味を持つ作品です。活動再開の不透明さの中、ファンの間では引退の噂も及んでいましたが、アルバムはそんな思いも込められています。デビューアルバム「SQUALL」とも対比される構成が認識され、幅広い観点から評価されています。

曲目一覧

• - Vacancy
• - 夏のジュエリー
• - ボーイの季節
• - 両手のなかの海
• - す・ず・し・い・あ・な・た
• - 星空のストーリー
• - さざなみウェディングロード
• - 天使のウィンク
• - ティーン・エイジ
• - 夏の幻影（シーン）

アルバム『ザ・ナインス・ウェーブ』は、松田聖子の音楽的進化と新たな挑戦を象徴する作品であり、その時代を反映した音色が多くのファンに愛されています。簡潔さと深みを兼ね備えた楽曲たちは、今なお多くの人々に親しまれています。

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