ボーイの季節

ボーイの季節

「ボーイの季節」は、1985年5月9日に松田聖子がリリースしたシングルで、21枚目の作品になります。この曲は、東宝の劇場アニメーション『ペンギンズ・メモリー 幸福物語』の主題歌として知られています。ジャケットのデザインでも、映画のキャラクターであるペンギンが右上に描かれており、視覚的にも作品とのリンクが示されています。

この曲の作詞と作曲は、前作「天使のウインク」と同じ尾崎亜美によって手がけられました。尾崎は、1986年に自身のアルバム『POINTS-2』でこの曲をセルフカバーすることになります。シングルのB面には「Caribbean Wind」が収録されており、これは松田が主演した映画『カリブ・愛のシンフォニー』の主題歌でもあります。この曲は、松田の結婚を契機にリリースされ、彼女と神田正輝の結婚について「聖輝の結婚」とも呼ばれました。

制作の背景

元々、シングルのリリースには吉田拓郎が作曲を担当した「幸福なんてほしくないわ」が予定されていましたが、様々な理由からお蔵入りとなりました。プロデューサーの若松宗雄はその経緯を認めていますが、詳細な理由については触れられていません。神田との婚約が影響しているのではないかとも推測されています。この曲は後に、松田と同じ世代の酒井法子がシングルとしてリリースしました。

「ボーイの季節」は、松田のデビュー曲「裸足の季節」と題が関連性を持っており、新たに用意された楽曲です。歌詞は非常に抽象的なため、聞く人によってさまざまな感情を引き起こす作品となっています。レコーディングの際、尾崎亜美に歌詞の意味を尋ねた松田は、その内容に深く感銘を受け、涙を浮かべる瞬間もあったそうです。しかし、彼女はその後に素晴らしいパフォーマンスを披露したと尾崎も評価しています。

テレビ披露の制限

松田は、神田正輝との結婚を機に一時的に歌手活動を休止したため、「ボーイの季節」をテレビで歌う機会はほとんどありませんでした。生放送の音楽番組で披露されることは少なく、放送された場合でも過去の映像によるものでした。ただし、1985年4月20日に放送された『8時だョ!全員集合』や、特別番組ではこの曲を披露する機会がありました。

再リリースと関連作品

この曲は2004年に完全生産限定盤として再発売され、紙ジャケット仕様の12cmCDとして入手できるようになりました。また、2010年には「松田聖子オリジナル・サウンドトラック集 1981〜1985」に収録され、テレビCMでしか聴けなかった英語バージョンの「ボーイの季節」も収められました。

収録曲

1. ボーイの季節 [4:35]
作詞・作曲：尾崎亜美
2. Caribbean Wind [4:06]
作詞：松本隆／作曲：大村雅朗

「ボーイの季節」は、松田聖子のキャリアを象徴する名曲であり、今なお多くの人々に愛されている楽曲として位置づけられています。そのメロディと歌詞には、人々の心に響く普遍的なテーマが込められているのです。

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