The Celebration Tour

マドンナ「セレブレーション・ツアー」：40年の軌跡を辿る壮大な回顧録

「The Celebration Tour」は、マドンナが自身の40年以上にわたるキャリアを総括する、初の回顧的なコンサートツアーとして開催されました。2023年10月14日にロンドンのO2アリーナで幕を開け、2024年4月24日にメキシコシティのPalacio de los Deportesで最終公演を迎え、全78公演を駆け抜けました。

ツアー発表は2023年1月17日、ソーシャルメディア上で行われました。発表時には、映画『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』を模したプロモーション映像が公開され、ディプロ、ジャド・アパトー、ジャック・ブラック、リル・ウェインなど、多くの著名人が出演し話題を呼びました。

しかし、ツアー開始直前の2023年6月、マドンナが細菌感染症でICUに数日間入院。これにより、北米公演の一部延期が余儀なくされましたが、振替日程は8月23日に発表され、ファンを安心させました。

160万人が熱狂したコパカバーナビーチでの無料公演

ツアーの最終公演は、2024年5月にブラジルのコパカバーナビーチで開催され、160万人もの観客を動員しました。この無料公演は、州政府と市庁が390万ドルを負担し、残りの費用は個人スポンサーによって賄われました。

LGBTQへのメッセージ、マイケル・ジャクソンへの追悼

このツアーは、単なる懐古的なコンサートではありません。LGBTQの啓発活動も重要なテーマとして組み込まれています。「リヴ・トゥ・テル」のパフォーマンスでは、エイズで亡くなった著名人たちへのトリビュートが捧げられ、感動を呼びました。また、ショーの終盤には、マイケル・ジャクソンを追悼するパートも設けられています。

40年間を振り返る演出も満載で、マドンナの過去の衣装を着用したダンサーが登場したり、様々な映像を繋ぎ合わせたコラージュ映像が幕間に使用されました。また、今回のツアーで初めてセットリストに加えられた楽曲や、久しぶりに披露された楽曲も多く、ファンにとっては特別な体験となりました。

カイリー・ミノーグとのサプライズ共演

2024年3月7日のロサンゼルス公演では、カイリー・ミノーグがサプライズゲストとして登場し、マドンナとステージ上で初共演。「恋のサバイバル」とカイリーの大ヒット曲「熱く胸を焦がして」をデュエットしました。マドンナが「恋のサバイバル」を選んだのは、自身が母親を乳がんで亡くした経験と、カイリー自身が乳がんを患った経験、そして業界で生きる女性としての苦楽を共感したからだと、カイリーは語っています。

2億2500万ドル以上の収益を記録

「The Celebration Tour」は、世界中で大きな成功を収め、2億2500万ドル以上の収益を記録しました。これは、マドンナの揺るぎない人気と、彼女が音楽史に残してきた偉大な足跡を証明するものでしょう。

このツアーは、マドンナの40年にわたるキャリアを祝福するとともに、彼女が音楽を通して伝えてきたメッセージを改めて世界に発信する、意義深いものでした。

この文章は、複数の情報源を基に構成されています。セットリストは公演ごとに異なる場合があります。

もう一度検索