The Making of Falling Into Infinity

『The Making of Falling Into Infinity』は、プログレッシブ・メタルバンド、ドリーム・シアターが1997年に発表したアルバム『フォーリング・イントゥ・インフィニティ』の制作過程を記録した作品です。このアルバムは、単なるメイキング映像ではなく、楽曲が完成に至るまでの試行錯誤や、各メンバーの創造的なアイデアが垣間見れる、非常に興味深い内容となっています。

当初、このアルバムは1997年に公式ファンクラブ会員向けに配布されました。その後、長らく入手困難な状態が続いていましたが、2009年よりドリーム・シアターの公式ブートレグ専門レーベル「YtseJam Records」から販売が開始され、再びファンの手に届くようになりました。

このアルバムには、各楽曲のベーシックトラックに加え、オーバーダビングの様子も収録されています。例えば、「New Millennium」では、ベーシックトラックに加え、ピアノ、アコースティックギター、スティック、7弦ギターのオーバーダビングが収録されています。「You Not Me」では、ベーシックトラックに加え、ストリングス、ピアノ、ボーカル、キーボードのオーバーダビングが収録されており、楽曲が徐々に構築されていく様子を聴くことができます。

また、「Lines In the Sand」では、イントロ、キーボード、ピアノ、ストリングスのオーバーダビングに加え、ベース、ギター、シンセサイザー、ボーカルのオーバーダビング、さらにはダグ・ピニックのボーカルも収録されています。これらのオーバーダビングを通して、楽曲に深みと奥行きが加えられていく過程を体験できます。

アルバムには、楽曲の初期段階の貴重な音源も収録されています。「Take Away My Pain」のオルタネイトテイクやベーシックトラック、「Just Let Me Breathe」のベーシックトラックなどは、完成版とは異なるアレンジや演奏を聴くことができ、楽曲の新たな魅力を発見することができます。

さらに、「Anna Lee」では、デレク・シェリニアンがピアノを演奏する様子や、ベーシックトラックに加え、メロトロン、アコースティックギター、レスリーギター、スライドギターのオーバーダビングが収録されています。これらの音源を通して、デレク・シェリニアンの才能や、楽曲に様々な楽器の音色が加えられていく様子を垣間見ることができます。

アルバムの最後には、「Trial Of Tears」のベーシックトラックに加え、リードギター、ベース、アコースティックギター、ピアノのオーバーダビング、そして「The End (?)」というタイトルのトラックが収録されています。これらのトラックを通して、アルバムの締めくくりを堪能することができます。

『The Making of Falling Into Infinity』は、ドリーム・シアターの音楽制作に対する真摯な姿勢や、メンバー間の創造的なコラボレーションを垣間見ることができる、ファン必携のアルバムと言えるでしょう。楽曲の進化の過程を追体験することで、アルバム『フォーリング・イントゥ・インフィニティ』をより深く理解し、楽しむことができるはずです。

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