The MathWorks

MathWorks: 数学的計算ソフトウェアの革新を牽引する企業

MathWorksは、数学的計算ソフトウェアの開発において世界をリードする、アメリカ合衆国に本社を置く非公開企業です。主力製品であるMATLABとSimulinkは、科学技術計算やシミュレーションの分野で広く利用されており、その高度な機能性と信頼性から、多くの研究者やエンジニアに支持されています。

歴史

MathWorksは1984年7月、ジャック・リトル、クリーブ・モラー、スティーブ・バンガートの3名によって、カリフォルニア州ポートラバレーで設立されました。同年、ラスベガスで開催されたIEEE Conference on Decision and Controlにて、主力製品であるMATLABが初めて発表されました。翌1985年2月には、マサチューセッツ工科大学（MIT）にMATLABを初出荷、10コピーを500ドルで販売しました。1986年に本社をマサチューセッツ州に移転し、1996年7月には現在の拠点であるナティックに本社を構えました。

MathWorksは、製品ラインナップの拡充にも積極的であり、2007年にはPolyspace Technologiesを買収し、その技術をMATLABに統合しました。また、2008年にはMuPADの開発会社であるSciFace Software GmbH & Co. KGを買収し、Mapleエンジンに代わる新たな数式処理エンジンとしてMuPADをSymbolic Math Toolboxに導入しました。さらに、2013年にはLTE Toolboxを開発したSteepest Ascentを買収するなど、継続的な技術革新を追求しています。また、2008年から2009年、そして2013年にかけて、マサチューセッツ州ナティックにある本社メインキャンパスを拡張しています。

製品とサービス

MathWorksの主な製品とサービスは以下の通りです。

MATLAB: 数値計算、データ解析、アルゴリズム開発のためのプログラミング環境。科学技術計算、機械学習、画像処理など、多岐にわたる分野で活用されています。
Simulink: ダイナミックシステムのモデル化、シミュレーション、解析を行うためのプラットフォーム。制御システム、組み込みシステム、信号処理などの開発に利用されています。
Polyspace: 組み込みソフトウェアの検証ツール。コードの欠陥を早期に検出し、ソフトウェアの品質向上を支援します。

企業内容

MathWorksは、その技術力だけでなく、社会貢献活動にも力を入れています。「ソーシャル・ミッション」という社会奉仕プログラムを推進し、スタッフ・イニシアチブ、教育への投資、地域コミュニティのサポート、グリーン・イニシアティブ、災害復旧の5つの分野で活動を展開しています。

MathWorksは、学生エンジニアが競い合うコンペティションを毎年スポンサー支援しており、米国環境省（DOE）とゼネラルモーターズ（GM）が発足したEcoCARなどのコンペティションが代表的です。また、ボストン科学博物館やケンブリッジ大学科学センターといった博物館や科学学習センターへの支援、公共放送サービス（PBS）やナショナル・パブリック・ラジオ（NPR）の番組スポンサーも務めるなど、教育や文化の発展にも貢献しています。MathWorksのウェブサイトでは、2010年のハイチ地震への復興支援募金も集められました。

ロゴ

MathWorksのロゴは、L字形状の薄膜（メンブレン）が波動方程式に従って振動している際の、第1振動モードを表しています。このロゴは、MathWorksが取り組む複雑な数学的計算とシミュレーションの概念を象徴しています。

まとめ

MathWorksは、高度な数学的計算ソフトウェアの開発を通じて、科学技術の進歩に貢献している企業です。その製品は、研究開発、教育、産業界など、幅広い分野で利用されており、世界中のエンジニアや研究者にとって不可欠なツールとなっています。また、社会貢献活動にも積極的に取り組み、地域社会の発展や次世代育成にも力を入れています。

外部リンク

The MathWorks社の会社のWebサイト
The MathWorks社の会社の日本語Webサイト
The MathWorks社日本法人設立の案内

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