The Quantum EP

m-floのシングル『the Quantum EP』：多様な魅力を凝縮した一枚

2000年6月28日、m-floは7枚目のシングル『the Quantum EP』をリリースしました。このシングルは、同年リリースのアルバム『Planet Shining』からのシングルカットとして制作され、後にm-floの音楽性を象徴する作品の一つとなりました。

収録されている楽曲はどれも魅力的で、特にカップリング曲「One Sugar Dream」は注目に値します。この曲は、雑誌『BRUTUS』とのコラボレーション企画として制作されたもので、洗練されたサウンドとスタイリッシュな雰囲気が特徴です。雑誌『BRUTUS』2000年7月1日号には、この「One Sugar Dream」の別バージョンが収録されたCDが特典として付属していました。このコラボレーションは、m-floの音楽性が幅広い層に受け入れられていることを示す象徴的な出来事と言えるでしょう。

一方、「Quantum Leap (DJ Watarai Remix)」は、原曲とは全く異なるアレンジが施されており、DJ Wataraiによるリミックスによって、全く新しい魅力が加えられています。興味深いことに、このリミックスバージョンは、後に2003年にリリースされたm-floのベストアルバム『The Intergalactic Collection 〜ギャラコレ〜』では「Quantum Leap Ⅱ」というタイトルで収録されました。このタイトル変更も、楽曲の進化と変化を表す一つのエピソードと言えるでしょう。

さらに、「One Sugar Dream」は、『Planet Shining』には収録されていませんでしたが、『The Intergalactic Collection 〜ギャラコレ〜』に収録されたことで、多くのリスナーに知られることとなりました。また、2006年にリリースされたベストアルバム『m-flo inside -WORKS BEST II-』のディスク2には、Ryoheiがボーカルを務めたバージョンが収録されています。さらに、Ryoheiのシングル『you said...』(2006年)のカップリング曲にも「One Sugar Dream」のカバーが収録されるなど、この楽曲は様々な形でリスナーに届けられました。

リミックスアルバム『EXPO防衛ロボット GRAN SONIK』(2001年)には、小西康陽が手掛けた「One Sugar Dream [Readymade pot-pourri of the beats] by KONISHI yasuharu」が収録されています。このリミックスは、オリジナルとは異なる新たな魅力を生み出し、楽曲の可能性をさらに広げました。

このように、『the Quantum EP』は、楽曲そのものの魅力に加え、様々なコラボレーションやリミックスを通して、m-floの音楽性の幅広さや進化を示す重要な作品となっています。それぞれの楽曲が持つ独特の雰囲気、そしてそれらが織りなす全体の調和は、リスナーに多様な音楽体験を提供し、m-floの音楽の魅力を余すことなく伝えています。このシングルは、単なるシングルという枠を超え、m-floの歴史における重要なマイルストーンとして位置付けられると言えるでしょう。

もう一度検索