The Unfinished Swan

『The Unfinished Swan』の魅力

『The Unfinished Swan』（アンフィニッシュド スワン）は、Giant SparrowとSIEサンタモニカスタジオによって開発されたファーストパーソン・アクションアドベンチャーゲームです。この作品は、2012年にPlayStation 3向けにリリースされ、その後もPlayStation VitaやPlayStation 4|PlayStation_4、さらにPCやiOS、iPadOS向けに展開されるなど、多くのプラットフォームで楽しむことができます。

ゲームの構成

本作は全4章に分かれており、各章はそれぞれ独自のテーマとメカニクスを持っています。最初のチャプター「庭園」では、ゲームが始まった瞬間から視界は真っ白です。プレイヤーは、黒いインクを投げつけることで周りの環境を認識し、白鳥の足跡を手がかりに進むことになります。次第に、インクを使って明らかにされる風景が、プレイヤーを導いていきます。

続くチャプター2「未完成の帝国」では、水を与えることでツタを成長させ、壁を登れるようになったり、チャプター3「夜」では、光る球体を使って暗闇の中を進むなど、章ごとに新しい要素が追加され、プレイヤーにさまざまな体験を提供します。最後のチャプター4「王様の夢」では、独特のストーリーが織り交ぜられ、全ての謎が解き明かされます。

開発の背景

ゲームの開発は2008年に始まり、当初は大学の学生プロジェクトとしてスタートしました。クリエイティブディレクターIan Dallasは、大学院で学びながら、絵の具を使った探検のコンセプトを持つゲームを考案し、数ヶ月の努力の末、形にしていきました。その過程で、文学作品や映画からの影響を多く受けており、特に『不思議の国のアリス』や『おおきな木』、ジム・ヘンソンの『ラビリンス』や『ダーククリスタル』などが参考にされたと言います。

ストーリーの概要

物語の主人公はモンローという名の10歳の少年です。彼は亡き母親が残した300枚以上の未完成の絵の中で、特にお気に入りだった首のつながらない白鳥の絵を手に、施設に入ります。しかし、ある晩目が覚めると、絵の中の白鳥が消失していることに気づきます。モンローは白鳥の足跡を追い、母親から受け継いだ銀色の絵筆を使って小さな扉を見つけ、この扉を通じて真っ白な世界へと足を踏み入れます。

モンローは絵筆で色を塗りながら、かつて王様が築いた白い王国の跡を巡ります。その過程で、彼は巨大な白鳥を発見し、その白鳥を追い求める冒険が始まります。白鳥を捕まえようとするさまざまな試練に直面しつつも、彼は果敢に進み続け、大きな王様の像にたどり着きます。王様との対話を通じて、彼が聞く夢の物語は、白い庭が黒く塗りつぶされていくという衝撃的なものでした。そして、王様はモンローに新たな絵筆を託し、彼の日々の願いを寄せるのです。

最後の夜、モンローは母親が喜ぶだろう、真正面で白鳥がつながり、その子供も描いた作品を完成させると、物語は締めくくられます。

受賞歴

『The Unfinished Swan』は、その独創的なデザインとプレイ体験が認められ、2013年には英国アカデミー賞ゲーム部門でデビュー作品賞とイノベーション賞を受賞。また、日本ゲーム大賞では2013年にゲームデザイナーズ大賞を受賞しました。

このゲームは、色を塗ることで世界が変わっていくという新しい体験を通じて、プレイヤーに深い感動を与え続けています。

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