The beginning (絢香のアルバム)

絢香、3枚目のオリジナルアルバム『The beginning』：新たな出発点

2012年2月1日、シンガーソングライター絢香の3枚目のオリジナルアルバム『The beginning』が、彼女の自主レーベルA stAtionからリリースされました。約2年半に及ぶ音楽活動休止期間を経て発表された本作は、絢香にとって初のセルフプロデュース作品であり、彼女自身の新たな出発を告げる重要な作品となりました。

活動休止期間を経ての制作

2011年10月、絢香は音楽活動の再開を発表。そして同年11月30日、3年7ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバムの発売が決定しました。デビュー日と同じ2月1日を発売日とするという意欲的な発表でした。本格的な制作は2011年秋から開始され、1ヶ月半に渡って全13曲のレコーディングが行われました。

絢香はインタビューの中で、2年間の活動休止期間を「水面下の制作期間」と表現し、締め切りもなく、いつ作品が完成するかもわからない状況の中で制作を進めたことを明かしています。その期間でじっくりと時間をかけ、自身の内面を深く見つめ、音楽性をさらに磨き上げたことが、このアルバムに反映されています。

アルバムタイトル『The beginning』は、「始まり」と「原点回帰」という意味合いを持ち、新たな出発を象徴する言葉として選ばれました。絢香自身、この言葉以上に彼女の思いを表現できる言葉を見つけることができませんでした。

アルバムの構成とジャケット

『The beginning』は、CDのみの通常盤、DVD付きの通常盤、そして初回生産限定盤の3形態で発売されました。ジャケットデザインは、絢香が2年間撮りためた写真を細かく切り貼りして作ったモザイクアートで、2年間の活動休止期間を表現しています。

キャッチコピーは『“過去”も“今”も“未来”も…。「はじまりのとき」は必ず訪れる。』と『ここから「絢香」の第二章が始まる。』の2種類が使用されました。

収録曲と楽曲解説

アルバムには、活動休止期間中の想いを込めた楽曲から、新たな出発への希望を歌った楽曲まで、バラエティに富んだ13曲が収録されています。

代表的な楽曲としては、活動休止期間中の想いを綴った「はじまりのとき」、新たなスタートを切る決意を込めた「Hello」、夕焼けの情景を描いた「アカイソラ」、そしてアルバムタイトルにもなっている「The beginning」などがあります。「空よお願い」は、活動休止前より存在していた楽曲で、完成度の高さを維持するため、デモ音源のまま収録されました。

それぞれの楽曲には、絢香の音楽的な成長と、活動休止期間中の経験が深く反映されています。繊細な表現力と、力強いメッセージが共存する、聴き応えのある作品となっています。また、参加ミュージシャンも多く、豪華な演奏陣を揃えている点も特筆すべきでしょう。

オリコンチャートでの成功

『The beginning』は、2012年2月7日付のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得しました。これは、絢香にとってベストアルバム以来2年4ヶ月ぶり2作連続、オリジナルアルバムとしては『First Message』以来5年3ヶ月ぶり、そしてアルバム全体としては3度目の首位獲得という快挙となりました。

まとめ

『The beginning』は、単なる音楽作品を超えて、アーティスト絢香の成長と新たな出発を象徴する、記念碑的なアルバムと言えるでしょう。活動休止期間を経て、より深みが増した彼女の音楽性は、多くのリスナーに感動と共感を呼び起こしました。このアルバムは、絢香のキャリアにおいて、重要なターニングポイントとなった作品と言えるでしょう。

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