Theスーパーファミコン

『Theスーパーファミコン』について

『Theスーパーファミコン』、通称『ザスー』は、1990年から1996年までソフトバンク出版事業部（現在のSBクリエイティブ）によって発行されていた、日本のゲーム専門雑誌です。この雑誌は、特にスーパーファミコン（SFC）の登場に合わせて創刊され、読者に対して新しいゲーム体験を提供することを目指していました。

創刊と沿革

1984年、ソフトバンクは『Beep!』という総合ゲーム雑誌を創刊していましたが、1989年にその内容をメガドライブ専門誌に移行しました。その結果、他の出版社が機種別の専門誌を次々と刊行する中で、1990年11月16日にスーパーファミコン専用の雑誌として『ザスー』が創刊されました。この創刊日は、任天堂がスーパーファミコンを発売する5日前であり、出版側もそのゲーム機の爆発的な人気を予測してのことだったと思われます。

『ザスー』は隔週刊で発行され、毎号に必ず別冊付録が付いていたことが大きな特徴でした。しかし、後半になるとこの付録の掲載頻度が減り、コンテンツもコミックアンソロジーに特化する傾向が見られました。

内容と特徴

創刊当初からこの雑誌には「ゲームと環境を考える」や「日本全国ゲーム自慢」など、多様な企画記事が掲載され、そのコンテンツは豊富で濃密なものでした。また、読者アンケートに基づいた分析を通じて、都道府県別にゲーム嗜好の違いを探求したことで、読者の関心を引きつけました。読者層は、『ファミ通』や『ファミリーコンピュータMagazine』よりもやや年齢が高く、『マイコンBASICマガジン』と重なる部分もありました。

雑誌には、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』専用の読者コーナーがあり、これもうまく読者を惹きつける要因となっていました。また、毎号にクーポン券が付属しており、これが読者の参加意欲を高める一因にもなっていました。

競争と問題

特に1991年に『ゼルダの伝説』の発売日予想を行なった際、多数の当選者が出たために、公正取引委員会から不正競争規約違反の指摘を受けるというトラブルもありました。このような問題は、読者の信頼にも影響を及ぼす要因となりました。

雑誌の終焉

1996年には新たにNINTENDO64が発売され、それに合わせて雑誌名を『スーパー64』に変更しました。しかし、その編集長交代による誌面リニューアルが失敗し、結果として読者離れを招いてしまいました。その影響で、部数が減少し続け、同年の12月には兄弟誌である『ザ・プレイステーション』や『セガサターンマガジン』が週刊化されるとの引き換えに休刊となりました。

結論

『Theスーパーファミコン』は、スーパーファミコンファンにとって一時代を築いた雑誌であり、その存在は日本のゲーム文化における重要な一章として記憶されています。

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