Toonz

Toonz：2Dアニメーション制作ソフトウェアの詳細

Toonzは、2Dアニメーション制作に使われるソフトウェアです。その基本となるアプリケーションは、ドワンゴによって開発されたオープンソースソフトウェア「OpenToonz（オープントゥーンズ）」として公開されています。一方、プロの個人やスタジオ向けには、Digital Video S.p.Aが開発・販売する商業用ソフトウェア「Toonz Premium」が存在します。Digital Videoは、絵コンテ作成ソフトのStoryPlannerや、鉛筆画テスト用ソフトLinetest、WebアニメーションソフトThe-TABなど、アニメーション制作をサポートする様々なソフトウェアを開発しています。

Toonzは、スタジオジブリやRough Draft Studiosなど、世界中の多くのアニメーションスタジオで採用されており、その高い性能と信頼性が広く認められています。

Toonzの歴史と開発

Toonzは1993年にIRIX OS向けに開発され、当初はSoftimage社が販売していました。その後、MicrosoftによるSoftimage買収を経て、Windows環境での最適化が行われ、Toonz 4.0としてリリースされました。このバージョンでは、インターフェースの改善や機能の強化が図られ、より直感的で使いやすいソフトウェアへと進化しました。

バージョンごとの進化

- Toonz 3.0: IRIX OS向けに開発された最初のバージョン。
- Toonz 4.0: Microsoftの要求に合わせてWindows環境で最適化されたバージョン。インターフェースの改善と機能強化が図られました。鉛筆テスト、パレットエディタ、Xsheet、インキ、塗装、フリップなどの入力機能が大幅に向上しました。ユーザーがスキャンやレンダリングのモジュールを追加しカスタマイズできる柔軟性も持っていました。
- Toonz 5.0 Harlequin: アニメーション制作技術の進化に対応するため、ベクタ形式の描画をサポート。手描きのアニメーションとデジタル作画の両方に対応し、WindowsとMac OS Xの両方で利用可能になりました。
- Toonz 6.0 Harlequin and Bravo: 手描きアニメーションに対応したHarlequinと、ペーパーレスアニメーションに特化したBravoの2つのバージョンが登場。スタジオジブリとの連携で開発されたHarlequinは、従来の制作ワークフローを重視し、Bravoはデジタル作画に特化しました。WindowsとMac OS Xの両方で利用可能です。
- Toonz 6.4ML: 手描きとペーパーレスの両方に対応した2つのバージョンを提供。クリンナップ機能が大幅に向上し、線画のゴミ取りやアンチエイリアス処理が可能になりました。スキャン画像のモノクロ化や出力フォーマットの選択も可能になり、スキャン画像の品質を向上させるための新しいアルゴリズムが導入されました。色の編集や特殊効果の調整機能も強化されました。
- Toonz 7.0: 単一画像からアニメーションシーンを作成する新しいツールが追加され、メッシュ構造や骨組みを利用した変形が可能になりました。スクリプトによる自動化もサポートされ、様々なエフェクトやレイヤー合成機能が追加され、立体的な出力も可能になりました。

オープンソース化

2016年3月、Toonzはオープンソースソフトウェア「OpenToonz」として公開されました。ソースコードはGitHubでBSD[[ライセンス]]の下で公開されており、誰でも自由に利用・改変できます。一方で、Digital Videoは「Toonz Premium」の開発・販売を継続し、企業向けに改良された機能を提供しています。

Toonzが使用された作品

Toonzは、数々の映画やゲームのアニメーション制作に利用されてきました。

映画

（具体的な作品名は記載されていません）

ゲーム

Psygnosisの「Discworld 2」やモノリスの「Claw」など、多くの人気ゲームのアニメーションがToonzを使用して制作されています。