2Dアニメーション制作ソフト一覧

デジタルアニメーション制作に使用されるソフトウェアは多岐にわたります。ここでは、代表的な2Dアニメーション制作ソフトを、商用・フリーソフトウェア、開発停止中のソフトウェアに分けて紹介します。

商用ソフトウェア

MOHO
Smith Micro Softwareが開発しているアニメーション制作ソフト。以前はロストマーブルが開発していました。一時的にAnime Studioという名称でしたが、MOHOに戻されています。「MOHO Debut」と「MOHO Pro」の2種類があります。
Toon Boom Harmony
カナダのToon Boom Animation社が開発。Toon Boom Opus（旧USAnimation）の後継ソフトです。オー・エル・エムなどのアニメ制作会社で使用されています。『怪奇ゾーングラビティフォールズ』やディズニー映画など、数々の2Dアニメーション作品の制作に貢献しています。
TVPaint Animation
フランスのTVPaint Développement社が開発した、タブレットPC向けのアニメーション制作ソフトです。サンジゲンが使用しています。
Adobe Animate CC
旧Adobe Flash Professional。ベクターベースで、Adobe Creative Cloudに付属しています。
Adobe Photoshop
アニメーション作成にも対応。Dope Sheetには非対応です。アニメの色彩設計、色指定、版権イラストの仕上げ、特殊効果のレタッチに使用されています。また、背景のデジタル彩色や手描き背景のデータ化、撮影用のCG素材作成にも使われます。
Corel Painter
プロ向けのペイントソフトで、アニメーション作成機能も搭載。フレームアニメーションやブラシストロークアニメーションに対応しており、油彩や水彩などの表現を得意としています。背景作画にも使用されています。
CLIP STUDIO PAINT EX
セルシスのペイントソフトCLIP STUDIO PAINT（通称クリスタ）の最上位版。v1.5.0でアニメーションに対応し、業界標準だったRETASの後継となりました。東映アニメーション、日本アニメーションなど多くのアニメスタジオで使用されています。『ちびまる子ちゃん』などの作品で使われています。
PD Howler
CACANi
シンガポールの南洋理工大学で開発された2Dアニメーション制作ソフト。自動中割生成機能や自動彩色システムが特徴です。サンライズオリジンスタジオやデイヴィッドプロダクションで使用されています。
Procreate
iOS用のペイントアプリで、アニメーション機能も搭載しています。

フリーソフトウェア

OpenToonz
Digital Videoが開発していたデジタルセルアニメーション制作ソフトで、2016年にオープンソース化されました。スタジオジブリが採用しており、『もののけ姫』以降、Toonzを使用しています。CLIP STUDIO PAINT EXとの連携も可能です。
Krita
ペイントソフトですが、バージョン3.0から2Dアニメーションに対応しました。
Synfig Studio
ベクターベースのアニメーション制作ソフトです。
Pencil2D
ビットマップとベクターの両方に対応したアニメーションソフトです。
Blender
3DCGソフトですが、Grease Pencil機能により2D/3D手描きアニメーション作成が可能です。Grease Pencil機能は年々強化されており、ラインのスカルプト編集、フレーム補間、マルチフレーム編集など多彩な機能が利用できます。

開発停止中

RETAS STUDIO
セルシスのアニメーション制作ツールで、長らく日本のアニメ業界で標準的なソフトでした。Stylos（作画用）、TraceMan（トレース用）、PaintMan（彩色用）、CoreRETAS（撮影用）の4つのツールで構成されていましたが、現在はCLIP STUDIO PAINT EXに統合されています。アニメのデジタル化に大きく貢献し、多数の賞を受賞しました。
Cambridge Animation Systems Animo
イギリスのケンブリッジ・アニメーションシステムが開発した統合型デジタルセルアニメーション制作ソフトです。『プリンス・オブ・エジプト』など、多くのアニメーション映画の制作に使用されました。2004年以降開発は終了し、Toon Boomに買収されました。
Computer Animation Production System（CAPS）
ウォルト・ディズニー・カンパニーとピクサー・アニメーション・スタジオが共同開発した、世界初の2Dデジタルアニメーション制作システムです。『リトル・マーメイド』などの作品で使用されました。2004年に使用を終了し、その後はToon Boom Harmonyが主流となりました。
Toon Boom Opus
旧USAnimation。プロフェッショナル向けのアニメーション制作ソフトウェアでしたが、現在はToon Boom Harmonyに統合されています。
セルペインター
セル画風の絵を作成するフリーソフトウェアで、主にアニメーション自主制作で使用されていました。
Dopey
ペイントソフトMyPaintを基に2Dアニメーションに対応させたものです。
AnimeStudio
ぜんまいはうすが開発していたセルアニメーション撮影ソフトです。

切り絵(カットアウト)/スケルタルアニメーション/モーフィング

After Effectsのパペットツール、ToonzのPlasticツール、PhotoAnimのSkeletal animation、Blender用のCutout Animation Tools (coa_tools)アドオンやTesselate texture planeアドオンなどがあります。また、SpriteUVなどの3DCGソフトウェア向けカットアウトアニメーション支援ツールも存在します。

Unity
2D/3Dゲームエンジンですが、映像作成機能も搭載。2Dスケルタルアニメーション向けの「2D Animation」パッケージがあります。
Spine
kickstarter発の2Dスケルタルアニメーション作成ソフト。メッシュを掛けて変化を持たせ、2.5Dに見せることも可能です。『プリンセスコネクト！Re:Dive』などのゲームで使用されています。
AnimeEffects
オープンソースの2Dスケルタルアニメーションソフトです。
Live2D
2Dのモーフィングによるシームレスアニメーション制作ソフトです。『あんさんぶるスターズ!』やバーチャルYouTuberの『にじさんじ』などに使用されています。
E-mote
2Dのモーフィングによるシームレスアニメーション制作ソフトで、無料版もあります。
Sketchbook Motion
Autodeskが開発していたiPad用のアニメーションソフトです。
PICMO
MovingSketchの後継ソフトウェアです。

仕上げ・色彩設定 ソフトウェア

仕上げでは彩色などを行います。色彩設計は、アニメーションの登場キャラクターや背景、小物などの色を決める作業です。現在ではRETAS STUDIO PaintManとAdobe Photoshopが併用されています。

AniLaPaint
セルアニメーションの仕上げ工程に使うペイントソフトです。アニメ業界ではあまり使われていません。

撮影ソフトウェア

撮影では、デジタルペイントされたセル素材、背景素材、CG素材のデータを合成し、視覚効果を加えることで、動きのある映像を作り出します。

Adobe After Effects
アニメーション制作の定番となった映像加工ソフトです。実写用ですが、コマ単位での表示設定やタイムリマップ機能がアニメ制作に適しており、PANやトラックバック、特殊効果などを表現できます。プラグインによる機能拡張も可能です。

映像編集ソフトウェア

Avid Media Composer
Adobe Premiere
業務向けの動画編集ソフトで、完成した動画の編集に使用されます。
VideoStudio
コンシューマー向けのソフトウェアで、コマ撮り機能などがあり、自作アニメーションの作成に使用されることがあります。

その他

Adobe Illustrator
モニターグラフィックスデザインやCG素材の作成に使用されます。
Corel Painter
デジタル油彩や水彩表現に優れ、背景作画などに使用されます。
CorelDRAW
モニターグラフィックスデザインやCG素材の作成に使用されます。

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