Top (UNIX)

topコマンドは、Unix系オペレーティングシステムにおいて、リアルタイムにプロセス状況を監視するためのツールです。このコマンドを実行すると、CPU使用率の高い順にプロセスが一覧表示され、どのプロセスがシステムリソースを多く消費しているかを瞬時に把握できます。システム管理者は、この情報を基に、システムパフォーマンスのボトルネックとなっているプロセスを特定し、適切な対処を行うことができます。

主な機能と特徴

• - リアルタイム監視: topコマンドは、指定された間隔で自動的に画面を更新し、プロセス状況を常に最新の状態に保ちます。これにより、システムリソースの消費状況をリアルタイムで監視できます。
• - CPU使用率順表示: デフォルトでは、プロセスはCPU使用率の高い順に表示されます。これにより、最もシステムに負荷をかけているプロセスを容易に特定できます。
• - 多様な情報表示: CPU使用率だけでなく、メモリ使用量、プロセスID、ユーザーIDなど、実行中のプロセスに関するさまざまな情報を表示します。
• - カスタマイズ: 一部のバージョンでは、表示項目やソート方法などを柔軟にカスタマイズできます。これにより、目的に応じた情報のみを表示させることが可能です。
• - リダイレクト: 出力結果をテキストファイルにリダイレクトすることも可能です。これにより、後から詳細な分析を行うことができます。

歴史

topコマンドの着想は、VMSオペレーティングシステムの`monitor process/topcpu`コマンドに由来します。最初の実装は、1984年4月にライス大学の大学院生ウィリアム・ルフェーブルによって、BSD 4.1向けに開発されました。BSDライセンスの下でオープンソースプロジェクトとして公開されたこのtopコマンドは、その後、多くの商用BSDおよびUNIXオペレーティングシステムに採用されることになりました。その後、他のオペレーティングシステムへの移植や、別のライセンスでの再実装も行われてきました。

AIXでは、1999年にAIX 4.3において、`topas`という名称で、機能強化されたtopコマンドが導入されています。また、Linux向けの最初のtopは、ロジャー・ビンズによって実装されました。現在では、ジェームズ・C・ワーナーによるフルカラー表示に対応した実装が広く利用されており、これは`procps`パッケージに含まれています。

オプション

topコマンドには、さまざまなオプションが用意されています。以下にいくつかの例を示します。

• - `-d`: 更新間隔を指定します。例えば、`-d 0.5`と指定すると、0.5秒ごとに画面が更新されます。
• - `-u`: 特定のユーザーが実行しているプロセスのみを表示します。例えば、`-u user123`と指定すると、ユーザー`user123`が実行しているプロセスのみが表示されます。

関連項目

• - psコマンド: プロセスのスナップショットを表示するコマンドです。topコマンドがリアルタイム監視であるのに対し、psコマンドは特定の時点でのプロセス情報を表示します。

外部リンク

• - Manpage of TOP Linux (JM Project)
• - top(1) man page (HP-UX リファレンス)
• - procps - Home Page

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