Trap-TV

Trap-TV（とらっぷ・てれび）

「Trap-TV」は、1993年4月から9月まで、フジテレビ系列で放送されたミステリーテレビドラマであり、全23話が深夜に展開されました。現在もフジテレビ739で再放送が行われており、その独創的な形式が再評価されています。

概要

番組の形式は、吹越満と吉田朝の二人がオープンカフェのテラスに集まり、吹越が毎回異なるミステリーを語るというものです。リスナーである吉田は、その物語中に隠されたトリックや心理を推理します。しかし、見破るべき謎は単に登場人物の犯行のトリックではなく、全体を通じて仕掛けられたストーリートラップであり、視聴者が脚本家や監督の意図を読み解くことが求められました。

この番組は、ほとんどのミステリードラマ部分が写真で構成されており、様々なトラップが画像の中に散りばめられています。映像やセリフだけでなく、効果音、BGM、さらにはサブタイトルやオープニング映像、エンディングまで、全てが謎解きのヒントとして機能していました。

「カノッサの屈辱」で知られる杉本達が進行役として企画し、全18話のオリジナルミステリーを手掛けたことでも注目を集めました。彼は独自の演出で、視聴者が参加することを促しました。

スペシャルクイズ

各エピソードの最後には、視聴者参加型のクイズが用意されていました。物語の中には、必ず一つの真相が伏せられており、それを解明するためには、番組内で提示された写真の中のパズルを解かなければなりませんでした。このクイズはプレゼントの一環として出題され、正解者にはオリジナルメンバーズカードが贈られました。

クイズは、以下の四つの段階に分かれていました。
1. 初級問題：物語の中から「蝶」を探す問題。
2. 中級問題：魔方陣やスケルトンを解くもの。
3. メインパズル：番組内に隠されたパズルを解読すること。
4. 以上を通じて導き出される物語の隠された真実。

特に難易度が高く、場合によっては初級の「蝶を探す」問題で正解がわずか一人に止まることもありました。

オープニングとエンディング

通常回のオープニングでは、黒バックに白文字で「このテレビイベントはVTRに録画する事から始まる」と表示され、視聴者に録画を促しました。また、ヨーロッパの古城を背景に番組の内容が紹介され、ミステリーピースとして「Trap」と「Trick」の違いが強調されました。

最終回では、視覚にとらわれた迅速な映像が放映され、視聴者に深い印象を残しました。エンディングテーマも注目され、シリーズ初期は馬渡松子が「P-U」を歌い、後期は山崎亜弥子が「私はあなたを終われない」を担当しました。

制作スタッフ

「Trap-TV」は多くのスタッフによって支えられました。企画は鈴木吉弘、プロデューサーには船津浩一と今野貴之が名を連ねました。音楽は野口健一が手掛け、パズルはニコリが協力しました。ナレーションは大森章督が担当し、演出は杉本達によって行われました。技術協力や美術協力はそれぞれバスクとフジアールが提供しました。制作著作はフジテレビが行っています。

「Trap-TV」は、ただのミステリードラマではなく、視聴者に積極的に参加を促す革新的な番組体験を提供しました。

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