杉本達
杉本達（すぎもと とおる）は、1964年2月29日生まれの日本の演出家、テレビディレクター、映画監督です。株式会社blade inc.の代表を務めています。
京都府で生まれ育ち、一人っ子として育ちました。中学生の頃は漫画家を目指し、手塚治虫に憧れる少年時代を過ごしました。同時に『翔んだカップル』、『マカロニほうれん荘』、『ドカベン』といった漫画にも夢中になりました。
高校生になると、家庭環境が複雑になり、自ら生計を立てる必要に迫られました。水商売をしながら高校に通い、大学進学も視野に入れていましたが、大学で学ぶよりも映像の世界で自分の才能を活かしたいと考え、日活芸術学院への進学を決意します。美術やイラストが得意だったことが、映像関係の仕事を選ぶきっかけとなりました。
18歳で上京し、日活芸術学院に入学。経済的な余裕がなかったため、新聞奨学生として学費を工面しました。寮に住み込みながら、朝夕刊の配達や折り込み作業など、新聞配達に関するあらゆる業務をこなしました。学校生活の中で挫折を経験し、大道具のアルバイトを紹介されたことが転機となりました。このアルバイトを通じて、根岸吉太郎監督や森田芳光監督など、多くの映画監督と知り合う機会を得ました。さらに、映画『探偵物語』の助監督のアルバイトの話が舞い込み、憧れの松田優作との仕事に興奮したと語っています。現場では、松田優作に気に入られ、飲みに連れて行ってもらうなど、貴重な経験をしました。
1984年に日活芸術学院を卒業。にっかつ撮影所の美術部への就職を勧められましたが、月給の低さに京都へ帰ることを決意しました。大阪で制作会社を立ち上げる友人の話に軽い気持ちで同乗しますが、その話は頓挫。その後、ビラ配りのアルバイトをしていた時に、大阪でトップの放送作家だった寺崎要氏と知り合い、吉本興業系の番組に携わることになります。明石家さんまのコンサートや『サブローシローの今夜はねむれナイト』などの番組でディレクターとしてのキャリアをスタートさせました。
1990年にはフリーのディレクターとして独立。フジテレビの桜井郁子氏に誘われ、深夜番組『カノッサの屈辱』の制作に関わったことが、その後の活躍に繋がります。当時、フジテレビは若手ディレクターを積極的に育成しようとしていた時期であり、杉本は深夜ドラマの監督を任されたり、フリーでありながらレギュラー番組の企画を通すなど、恵まれた環境で才能を開花させました。
その後、『TVブックメーカー』を担当し、個性的なディレクターたちをゴールデンタイムに進出させる流れの中で、1994年に初のゴールデン番組『ラスタとんねるず'94』を担当。「ジャイアント将棋」のコーナーがとんねるず本人たちにも好評でした。
ウイルスプロダクションを経て、blade inc.を設立。1996年にはTBSで『ウンナンの気分は上々。』を担当。番組のコンセプトを問われた際に「友達」と答えたことが番組の方向性を決定づけました。ウッチャンナンチャンと同世代である自身の「昔のように友達ができない」という感覚から、番組のキーワードを「友達だ！」とし、二人の旅を固定カメラで撮影し、ギクシャクとした間を演出するスタイルが生まれました。
1998年、TBS『ウンナンのホントコ!』内の企画「未来日記」を企画・演出。後に映画化もされ、監督を務めました。この企画は、内村光良と女優が一週間の旅をするという設定で、台詞のないト書きだけの台本を渡され、お互いの「素」の間で演技をするという斬新なものでした。この作品は、第7回ダッカ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞しています。
2009年には新人俳優ユニット「俳優塾」を率いてワークショップを開催。2018年春に閉塾しました。2018年以降は、ドラマや映画の演出に力を注ぎ、ラジオ番組から生まれた企画『YOU達HAPPY映画版 ひまわり』を監督しました。2020年には自身初となる連続ドラマ『CODE1515』、2021年には『ConneXion』の脚本と監督を務めました。
2022年以降は演劇にも進出し、2023年には歌やダンスのあるエンタメ作品『私が天下を取る！～憙乃巻～』、怪談をベースにしたホラー作品『仮名手本 百物語（仮）』、小劇場的な実験演劇『山本試験紙 ㊀ 』など、ジャンルに捉われない多様な作品を発表しています。杉本達は、映像、ドラマ、映画、舞台、ラジオなど、多岐にわたるジャンルで、常に新しい表現を追求し続けています。
『カノッサの屈辱』（フジテレビ、1990年-）
『TVブックメーカー』（フジテレビ、1991年-）
『征服王』（フジテレビ、1992年-）
『宣誓』（フジテレビ、1992年-）
『Trap-TV』（フジテレビ、1993年-）
『ラスタとんねるず'94』（フジテレビ、1994年-）
『Revolution No.8』（フジテレビ、1994年-）
『かしこ』（フジテレビ、1995年）
『ウンナンの桜吹雪は知っている』（TBS、1995年-）
『ウンナンの気分は上々』（TBS、1996年-）
『ウンナンのホントコ!』（TBS、1998年-）
『イカリングの面積』（テレビ東京、2000年-）
『フードバトルクラブ』（TBS、2001年、2002年）
『ウィーケストリンク☆一人勝ちの法則』（フジテレビ、2002年-）
『みのもんたのSOSシリーズ』（フジテレビ、2002年-）
『全国高校ウォーターボーイズ選手権』（フジテレビ、2004年、2005年）
『個人授業』（TBS、2006年-）
『マジック革命セロ』（フジテレビ、2006年）
『個人授業II』（TBS、2007年-）
『写真物語』（フジテレビ、2006年）
『キャプテン☆ドみの』（TBS、2007年-）
『エチカの鏡〜ココロにキクTV〜』（フジテレビ、2008年-）
『Choice』（フジテレビ、2011年、2012年）
『GIVE&TAKE』（フジテレビ、2012年）
『AMAZING BANG FRONT』（テレビ朝日、2013年-）
『上質の地図』（テレビ朝日、2014年-）
『マジック新世紀セロ』（フジテレビ、2014年）
『TOKYO CALLING』（テレビ朝日、2016年-）
『映画版 未来日記 The Future Diary On The Film』（TBS・松竹、2000年公開）
アジアマーケット用映画『R』（2015年公開）
アジアマーケット用映画『Bitch』（2016年公開）
YOU達HAPPY 映画版『ひまわり』 - 主演 大東駿介 佐久本宝（2018年公開）
『鹿沼』 - 主演 黒羽麻璃央 赤澤燈 廣瀬智紀（2020年公開）
『DEAD END』 主演 櫻井淳子（フジテレビ、1994年）
『処刑ショー』 吉田朝（フジテレビ、1994年）
世にも奇妙な物語 春の特別編『そして、くりかえす』 主演 内村光良（フジテレビ、1998年）
世にも奇妙な物語 春の特別編『奇数』 主演 柳葉敏郎（フジテレビ、2000年）
24時間あたためますか?〜疾風怒涛コンビニ伝〜『自殺名所のコンビニ』 主演 河本準一（日本テレビ、2008年）
世にも奇妙な物語 2008春の特別編 『これ……見て……』 主演 戸田恵梨香（フジテレビ、2008年）
SMAP×SMAP特別篇『蘇る日本映画黄金期』 主演 広末涼子（フジテレビ、2008年）
『課長島耕作』 主演 高橋克典（日本テレビ、2008年）
『CODE1515』 主演 和田琢磨（BSフジ、2020年）
SMAP『この瞬間、きっと夢じゃない』（2008年）
乃木坂46『おいでシャンプー』映像特典 橋本奈々未×杉本達『家でゆっくり』（2012年）
ネスレシアター『踊る大宣伝会議seasonⅡ』（第三話）（2015年）
『くちびるWANTED』主演 田中圭（AbemaTV、2018年）（本広克行、上田慎一郎、木村好克と共同）
『ConneXion』主演 横尾渉 藤ヶ谷太輔 千賀健永（dTV 2021年）
舞台俳優塾ラボ公演『女優』（2016年 横浜STスポット）（作 山口仁志）
『仮名手本 百物語（仮）』（2022年 下北沢 スターダスト）（脚本参加）（演出 倉本朋幸）
『百物語 vol2 憑』（2023年 下北沢 スターダスト）（脚本＆幽チーム演出）
山本試験紙『 ㊀ 』（2023年 下北沢 小劇場B1）（作 山本試験紙）
『私が天下を取る！～憙の巻～』（2023 浅草 花劇場）（作・演出）
山本試験紙vol2『ピクトグラム』（2024年 新宿 シアターサンモール）（作・演出）
『百物語 vol3 傀儡』（2024年 下北沢 スターダスト）（脚本＆幽チーム演出）
試験紙プロデュース『some day』（2025年 新宿 シアターサンモール）（作 倉本朋幸）
『フリーキャンパスKYOTO』（KBS京都 1987年-）
『From C Side』 徳永英明（文化放送 1989年-）
『OH!ZIPANGLE』 前田亘輝（文化放送 1990年-）
『MOONLIGHT 抱きしめて!! TARAKO（文化放送 1991年-）
『前田亘輝のYOU達HAPPY』 前田亘輝（nack5 2011年-）
生い立ちと初期のキャリア
京都府で生まれ育ち、一人っ子として育ちました。中学生の頃は漫画家を目指し、手塚治虫に憧れる少年時代を過ごしました。同時に『翔んだカップル』、『マカロニほうれん荘』、『ドカベン』といった漫画にも夢中になりました。
高校生になると、家庭環境が複雑になり、自ら生計を立てる必要に迫られました。水商売をしながら高校に通い、大学進学も視野に入れていましたが、大学で学ぶよりも映像の世界で自分の才能を活かしたいと考え、日活芸術学院への進学を決意します。美術やイラストが得意だったことが、映像関係の仕事を選ぶきっかけとなりました。
18歳で上京し、日活芸術学院に入学。経済的な余裕がなかったため、新聞奨学生として学費を工面しました。寮に住み込みながら、朝夕刊の配達や折り込み作業など、新聞配達に関するあらゆる業務をこなしました。学校生活の中で挫折を経験し、大道具のアルバイトを紹介されたことが転機となりました。このアルバイトを通じて、根岸吉太郎監督や森田芳光監督など、多くの映画監督と知り合う機会を得ました。さらに、映画『探偵物語』の助監督のアルバイトの話が舞い込み、憧れの松田優作との仕事に興奮したと語っています。現場では、松田優作に気に入られ、飲みに連れて行ってもらうなど、貴重な経験をしました。
ディレクターとしての飛躍
1984年に日活芸術学院を卒業。にっかつ撮影所の美術部への就職を勧められましたが、月給の低さに京都へ帰ることを決意しました。大阪で制作会社を立ち上げる友人の話に軽い気持ちで同乗しますが、その話は頓挫。その後、ビラ配りのアルバイトをしていた時に、大阪でトップの放送作家だった寺崎要氏と知り合い、吉本興業系の番組に携わることになります。明石家さんまのコンサートや『サブローシローの今夜はねむれナイト』などの番組でディレクターとしてのキャリアをスタートさせました。
1990年にはフリーのディレクターとして独立。フジテレビの桜井郁子氏に誘われ、深夜番組『カノッサの屈辱』の制作に関わったことが、その後の活躍に繋がります。当時、フジテレビは若手ディレクターを積極的に育成しようとしていた時期であり、杉本は深夜ドラマの監督を任されたり、フリーでありながらレギュラー番組の企画を通すなど、恵まれた環境で才能を開花させました。
その後、『TVブックメーカー』を担当し、個性的なディレクターたちをゴールデンタイムに進出させる流れの中で、1994年に初のゴールデン番組『ラスタとんねるず'94』を担当。「ジャイアント将棋」のコーナーがとんねるず本人たちにも好評でした。
『ウンナンの気分は上々。』と『未来日記』
ウイルスプロダクションを経て、blade inc.を設立。1996年にはTBSで『ウンナンの気分は上々。』を担当。番組のコンセプトを問われた際に「友達」と答えたことが番組の方向性を決定づけました。ウッチャンナンチャンと同世代である自身の「昔のように友達ができない」という感覚から、番組のキーワードを「友達だ！」とし、二人の旅を固定カメラで撮影し、ギクシャクとした間を演出するスタイルが生まれました。
1998年、TBS『ウンナンのホントコ!』内の企画「未来日記」を企画・演出。後に映画化もされ、監督を務めました。この企画は、内村光良と女優が一週間の旅をするという設定で、台詞のないト書きだけの台本を渡され、お互いの「素」の間で演技をするという斬新なものでした。この作品は、第7回ダッカ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞しています。
近年の活動と多岐にわたるジャンルへの挑戦
2009年には新人俳優ユニット「俳優塾」を率いてワークショップを開催。2018年春に閉塾しました。2018年以降は、ドラマや映画の演出に力を注ぎ、ラジオ番組から生まれた企画『YOU達HAPPY映画版 ひまわり』を監督しました。2020年には自身初となる連続ドラマ『CODE1515』、2021年には『ConneXion』の脚本と監督を務めました。
2022年以降は演劇にも進出し、2023年には歌やダンスのあるエンタメ作品『私が天下を取る！～憙乃巻～』、怪談をベースにしたホラー作品『仮名手本 百物語（仮）』、小劇場的な実験演劇『山本試験紙 ㊀ 』など、ジャンルに捉われない多様な作品を発表しています。杉本達は、映像、ドラマ、映画、舞台、ラジオなど、多岐にわたるジャンルで、常に新しい表現を追求し続けています。
代表作
バラエティ
『カノッサの屈辱』（フジテレビ、1990年-）
『TVブックメーカー』（フジテレビ、1991年-）
『征服王』（フジテレビ、1992年-）
『宣誓』（フジテレビ、1992年-）
『Trap-TV』（フジテレビ、1993年-）
『ラスタとんねるず'94』（フジテレビ、1994年-）
『Revolution No.8』（フジテレビ、1994年-）
『かしこ』（フジテレビ、1995年）
『ウンナンの桜吹雪は知っている』（TBS、1995年-）
『ウンナンの気分は上々』（TBS、1996年-）
『ウンナンのホントコ!』（TBS、1998年-）
『イカリングの面積』（テレビ東京、2000年-）
『フードバトルクラブ』（TBS、2001年、2002年）
『ウィーケストリンク☆一人勝ちの法則』（フジテレビ、2002年-）
『みのもんたのSOSシリーズ』（フジテレビ、2002年-）
『全国高校ウォーターボーイズ選手権』（フジテレビ、2004年、2005年）
『個人授業』（TBS、2006年-）
『マジック革命セロ』（フジテレビ、2006年）
『個人授業II』（TBS、2007年-）
『写真物語』（フジテレビ、2006年）
『キャプテン☆ドみの』（TBS、2007年-）
『エチカの鏡〜ココロにキクTV〜』（フジテレビ、2008年-）
『Choice』（フジテレビ、2011年、2012年）
『GIVE&TAKE』（フジテレビ、2012年）
『AMAZING BANG FRONT』（テレビ朝日、2013年-）
『上質の地図』（テレビ朝日、2014年-）
『マジック新世紀セロ』（フジテレビ、2014年）
『TOKYO CALLING』（テレビ朝日、2016年-）
映画
『映画版 未来日記 The Future Diary On The Film』（TBS・松竹、2000年公開）
アジアマーケット用映画『R』（2015年公開）
アジアマーケット用映画『Bitch』（2016年公開）
YOU達HAPPY 映画版『ひまわり』 - 主演 大東駿介 佐久本宝（2018年公開）
『鹿沼』 - 主演 黒羽麻璃央 赤澤燈 廣瀬智紀（2020年公開）
テレビドラマ
『DEAD END』 主演 櫻井淳子（フジテレビ、1994年）
『処刑ショー』 吉田朝（フジテレビ、1994年）
世にも奇妙な物語 春の特別編『そして、くりかえす』 主演 内村光良（フジテレビ、1998年）
世にも奇妙な物語 春の特別編『奇数』 主演 柳葉敏郎（フジテレビ、2000年）
24時間あたためますか?〜疾風怒涛コンビニ伝〜『自殺名所のコンビニ』 主演 河本準一（日本テレビ、2008年）
世にも奇妙な物語 2008春の特別編 『これ……見て……』 主演 戸田恵梨香（フジテレビ、2008年）
SMAP×SMAP特別篇『蘇る日本映画黄金期』 主演 広末涼子（フジテレビ、2008年）
『課長島耕作』 主演 高橋克典（日本テレビ、2008年）
『CODE1515』 主演 和田琢磨（BSフジ、2020年）
MV
SMAP『この瞬間、きっと夢じゃない』（2008年）
ショートフィルム
乃木坂46『おいでシャンプー』映像特典 橋本奈々未×杉本達『家でゆっくり』（2012年）
配信ドラマ
ネスレシアター『踊る大宣伝会議seasonⅡ』（第三話）（2015年）
『くちびるWANTED』主演 田中圭（AbemaTV、2018年）（本広克行、上田慎一郎、木村好克と共同）
『ConneXion』主演 横尾渉 藤ヶ谷太輔 千賀健永（dTV 2021年）
舞台
舞台俳優塾ラボ公演『女優』（2016年 横浜STスポット）（作 山口仁志）
『仮名手本 百物語（仮）』（2022年 下北沢 スターダスト）（脚本参加）（演出 倉本朋幸）
『百物語 vol2 憑』（2023年 下北沢 スターダスト）（脚本＆幽チーム演出）
山本試験紙『 ㊀ 』（2023年 下北沢 小劇場B1）（作 山本試験紙）
『私が天下を取る！～憙の巻～』（2023 浅草 花劇場）（作・演出）
山本試験紙vol2『ピクトグラム』（2024年 新宿 シアターサンモール）（作・演出）
『百物語 vol3 傀儡』（2024年 下北沢 スターダスト）（脚本＆幽チーム演出）
試験紙プロデュース『some day』（2025年 新宿 シアターサンモール）（作 倉本朋幸）
ラジオ
『フリーキャンパスKYOTO』（KBS京都 1987年-）
『From C Side』 徳永英明（文化放送 1989年-）
『OH!ZIPANGLE』 前田亘輝（文化放送 1990年-）
『MOONLIGHT 抱きしめて!! TARAKO（文化放送 1991年-）
『前田亘輝のYOU達HAPPY』 前田亘輝（nack5 2011年-）
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