Triangle (SMAPの曲)

シングル「Triangle」について

「Triangle」は、人気グループSMAPの38枚目のシングルとして2005年11月23日にビクターエンタテインメントからリリースされました。この曲は、作詞・作曲を手がけた市川喜康によって生み出され、彼は過去にSMAPの「オレンジ」や「Wonderful Life」なども手がけた実力派のシンガーソングライターです。編曲は小西貴雄が担当しました。

制作の背景

市川喜康が「Triangle」の制作を開始したのは、2001年に起こったアメリカ同時多発テロ事件がきっかけでした。テレビでアフガニスタンの対テロ戦争の様子を目にした彼は、強いメッセージを伝えたいという思いを抱え、「何かを表現せねば」と感じたのです。当初は自身で歌おうと考えていましたが、メッセージ性が強過ぎると感じ、最終的にはSMAPに楽曲を提供する決断をしました。

曲名の「Triangle」は三角形を意味しますが、その根底には「銃を持つ者」と「その銃を向けられる者」、そしてそれを見守る自分という三者の関係が表されています。市川は「どちらが正義か、判断するのは非常に難しい」と語り、銃を持つ者も自分の愛する人を守るためかもしれないという視点を示しました。このように、争う二人とそれを傍観する自分の立場を描き出しています。

歌詞の深い意義

歌詞には「小さなこの部屋からどんなに目を凝らせど見えないものばかりだ」というフレーズがあります。これは、ニュースで伝えられる情報をただ受け取るだけでは、現地にいる人々の厳しい現実を理解できていないと気づいた時の心情を表現しています。さらに、2番の歌詞は市川の祖父から聞いた戦争の実体験を元にしており、深い思索が込められています。

この曲は、2005年夏に行われたライブツアー「SMAPとイク? SMAP SAMPLE TOUR FOR 62 DAYS」で初めて披露され、視聴者からは強い反響を得ました。その後、24時間テレビでもこの曲が歌われ、多くのファンからの要望を受けてシングルとして正式にリリースされました。

MVとジャケットデザイン

CDジャケットはシンプルなデザインで、黒を背景に黄色の三角形が描かれています。ミュージックビデオでは、SMAPのメンバーが老人ホームで働いている様子が描かれ、曲を通じてお年寄りたちに感謝の気持ちを表現しています。

SMAPの楽曲としては、「オリジナルスマイル」や「世界に一つだけの花」に続き、教育現場の音楽教科書にも掲載されるなど、その存在感は大きいです。また、この曲はさまざまなテレビ番組やイベントで披露され続け、紅白歌合戦への登場回数も多いです。

チャート成績

オリコン週間シングルチャートでは初登場で首位を獲得し、SMAPにとっては「freebird」以来5作連続での1位となります。初動売上は約18.2万枚で、累計売上は34.2万枚に達しました。この曲のリリース後、SMAPはシングル総売上で2000万枚を突破し、歴史的な記録を達成しました。

2022年以降の反響

2022年のロシアによるウクライナへの軍事侵攻が進む中、この「Triangle」は反戦歌として再び注目されるようになりました。楽曲が持つ普遍的なメッセージは、現代の情勢とも深く結びついており、聞き手に強い影響を与え続けています。

「Triangle」はただの楽曲ではなく、聴く人々に対して考えるきっかけを与える、大変意義深い作品であると言えるでしょう。

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