Trigence

株式会社Trigence Semiconductorの概要

株式会社Trigence Semiconductorは、革新的なオーディオ製品向けのIC設計を行う企業として名を馳せていました。法政大学からスピンオフしたこのベンチャー企業は、2006年に東京に本社を設立しました。Trigenceは、独自のDnote®技術を開発し、PC向けオーディオ製品の分野に新たな可能性を見出しました。その成果が認められ、2012年にはインテルキャピタルから初めての投資を受けたほか、産業革新機構、日特エンジニアリンググループ、TDK社からも資金を調達しました。しかし、2022年5月23日に同社は清算を完了しました。

Dnote®技術の特徴

Dnote®は、最新のデジタル音声伝送システムに特化して設計された技術です。日本国内で開発されており、世界中で特許を取得しています。この技術の最大の特徴は、デジタル回路のみを利用しているため、あらゆるCMOSプロセステクノロジーと統合することが可能です。その結果、高解像度のデジタル信号が忠実にスピーカーに直接伝送されることが実現されました。Dnote®は、マルチボイスコイルを採用することによって、デジタル信号をスピーカーに直接送信できるほか、従来のデジタルオーディオ技術と比較して約三分の一の電力消費で高品質の音声出力を提供します。

受賞歴

TrigenceのDnote®技術は、その独特のデジタルオーディオ伝送能力が評価され、数々の賞を受賞しています。2013年には東京都ベンチャー技術大賞を受賞し、そのユニークさが認められました。また、2017年には米国コンシューマー・エレクトロニクス・ショー (CES)において、Dnote®を活用するオーディオテクニカのATH-DSR9BTデジタルBluetoothヘッドセットが、Innovation Honoree Awardsを獲得しました。同年には、クラリオンのZH700FF Bluetoothヘッドセットも同じくDnote®技術を利用し、ドイツのiFデザイン賞を受賞するなど、技術としての革新性とデザイン性の両方が高く評価されました。

結論

株式会社Trigence Semiconductorは、Dnote®技術を用いてオーディオ業界に新風を吹き込む企業として存在感を示しました。多くのパートナー企業や投資家からの支持を受けながら、技術革新を追求していたものの、最終的には清算を迎えました。彼らの開発した技術は、今後もオーディオ製品やデジタル信号伝送技術に影響を与え続けることでしょう。

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