U.3

U.3とは

U.3は、サーバーにSSDを接続するためのインターフェース規格の一つであり、SNIA（Storage Networking Industry Association）によってSFF-TA-1001として規格化されています。この規格は、主にエンタープライズ向けのサーバーに搭載されるSSDに適用され、PCI Express (PCIe)、SAS (Serial Attached SCSI)、SATA (Serial ATA)という3種類の通信プロトコルをサポートしている点が特徴です。

特に注目すべき点は、PCIeの信号ラインとSAS/SATAの信号ラインが、物理的に同じ信号線を利用しているという点です。これにより、従来のU.2規格と比較して、より柔軟なシステム設計が可能になっています。接続にはSFF-8639コネクタが使用され、これはU.2規格と同じコネクタであるため、互換性があるように見えますが、実際には注意が必要です。

U.2との相違点

U.2規格では、SAS/SATAの信号線とPCIeの信号線は物理的に独立していました。しかし、U.3規格ではこれらの信号線が物理的に同一の信号線を用いて通信を行います。これにより、U.2とU.3では信号線の使い方が大きく異なり、完全な互換性があるとは言えません。

SAS/SATA接続に関しては、U.2とU.3で同一のピン番号の信号線を使用しているため、基本的な互換性が保たれています。しかし、PCIe接続については、U.2とU.3で異なるピン番号の信号線が割り当てられているため、原則として互換性はありません。ただし、ベンダーの実装によってはU.2接続をサポートしている場合もあり、この点は製品ごとに確認が必要です。

さらに、回路保護のために信号線上に必要なデカップリングコンデンサの数や容量値が、U.2とU.3で異なります。一般的に、U.3は追加の保護回路を必要とするため、信号ラインの波形品質がU.2に比べて劣り、高速動作には不向きであるとされています。

コネクタ

U.3規格で使用されるコネクタは、U.2規格と同一のSFF-8639コネクタです。これにより、U.2をサポートするサーバーに、物理的にはU.3対応のSSDを搭載することが可能です。しかし、前述の通り、PCIe接続での動作互換性については実装に依存するため、注意が必要です。物理的な接続は可能でも、すべてのサーバーで正常に動作するわけではないことを理解しておく必要があります。

U.2と比較したU.3の利点

U.3規格を採用したサーバーは、U.2規格を採用したサーバーと比較して、より少ない構成要素でシステムを構築できるという利点があります。これは、U.3対応のSSDが、PCIeとSAS/SATAの信号線を同一のラインで共有しているため、サーバー側の単一のコントローラーで両方のプロトコルを制御できるからです。

これにより、サーバー側の回路設計が簡素化され、部品点数やコストの削減につながります。また、サーバーの設計自由度も向上し、より効率的なシステム構築が可能になります。U.3の登場により、エンタープライズSSDの利用がさらに柔軟になり、様々なサーバー構成に対応できるようになりました。

まとめ

U.3は、サーバー用SSDのインターフェース規格として、U.2からの進化を遂げた規格です。物理的なコネクタはU.2と同一ですが、内部の信号線の利用方法に大きな違いがあります。U.3は、システム構築の簡素化に貢献する一方で、信号品質や互換性において注意が必要な側面も持ち合わせています。そのため、U.3対応のSSDを導入する際には、製品の仕様やサーバー側の対応状況を十分に確認することが重要です。

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