U.2

U.2とは

U.2は、ソリッドステートドライブ（SSD）などのストレージデバイスをコンピュータに接続するためのインターフェース規格です。以前はSFF-8639という名称で知られていましたが、現在ではU.2として広く認識されています。この規格は、主にエンタープライズ環境での利用を想定して開発されており、高いデータ転送速度と信頼性を実現するために、PCI Express（PCIe）の4つのレーンを利用した高速な通信を行います。

歴史

U.2規格は、SSD Form Factor Working Group（SFFWG）によって2011年12月20日に発表されました。当初の目的は、エンタープライズ向けのSSDにおけるPCIe接続を標準化することでした。従来のSASやSATAドライブとの互換性を保ちつつ、PCIeの高速性を活用できるため、2.5インチまたは3.5インチのホットスワップ可能なストレージデバイスを実現することが可能になりました。

2015年6月には、SFF-8639というコネクタ名称がU.2へと変更され、よりユーザーフレンドリーな名称となりました。

コネクタ

U.2コネクタは、機械的な構造としてはSATA Expressプラグと同一です。しかし、ピンの割り当てを変更することで、PCIeの4レーンをフルに活用した高速データ転送を可能にしています。これにより、従来のSATAやSASドライブよりも高速なデータアクセスが可能になり、高性能なエンタープライズ環境での利用に最適です。

また、U.2はアダプタを利用することで、M.2ポートに接続することも可能です。これにより、U.2対応のデバイスをM.2ポートしかないシステムでも利用できるようになり、柔軟性が向上しています。

利用例

Intelが2015年11月に発売した750シリーズSSDには、PCIe版とU.2版の2種類のモデルが存在しました。これは、U.2規格が実際に製品に採用され、エンタープライズ市場において重要な役割を果たし始めたことを示す良い例です。

M.2との比較とU.2のメリット

U.2とM.2は、どちらもSSDを接続するためのインターフェース規格ですが、いくつかの重要な違いがあります。以下に、U.2の主な利点をまとめます。

ホットスワップ対応: U.2はホットスワップに対応しているため、システムの稼働中にドライブの交換が可能です。これは、エンタープライズ環境におけるダウンタイムを最小限に抑える上で非常に重要です。一方、M.2はホットスワップに対応していません。
筐体による保護: U.2には専用の筐体があり、内部のチップや回路を物理的なダメージ、電気的ショート、静電気から保護します。これにより、ドライブの耐久性が向上し、信頼性が高まります。一方、M.2は基板が露出しているため、外部からの影響を受けやすく、静電気や物理的な損傷のリスクが高いです。
* ほこりの蓄積の抑制: U.2の筐体は滑らかな表面を持っているため、M.2の露出した基板と比較してほこりが溜まりにくいというメリットがあります。これにより、安定した動作を長期間維持することができます。

これらの利点から、U.2はエンタープライズ環境において、高い信頼性と運用性を求められるストレージデバイスに最適なインターフェース規格であると言えます。

まとめ

U.2は、エンタープライズ向けの高速ストレージインターフェースとして、ホットスワップ対応や堅牢な筐体による保護など、多くのメリットを提供しています。これにより、企業のデータセンターなど、高い信頼性と運用性が求められる環境において、重要な役割を果たしています。

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