U48 (潜水艦・2代)

U-48：第二次世界大戦で活躍したドイツのUボート

U-48は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツ海軍が運用したVIIB型Uボートです。1939年から1941年までの約2年間という短い就役期間中に、52隻、306,874総トンもの連合国船舶を撃沈し、VIIB型の中でもっとも成功したUボートとして知られています。また、大西洋の戦いの初期には12回の哨戒を行い、3隻、20,480トンに損傷を与えました。

建造と就役

U-48は、キールにあるゲルマニア造船所で1938年から1939年にかけて建造されました。1939年9月の第二次世界大戦開戦の数ヶ月前に竣工し、ヘルベルト・シュルツェ少佐が最初の艦長に任命されました。開戦時、U-48はすでに北大西洋に配備されており、ラジオで開戦のニュースを知るとすぐに連合国船に対する作戦を開始しました。

艦歴

U-48は、その就役期間中に2つのウルフパック（Uボートによる集団攻撃戦術）に参加しました。また、艦長のヘルベルト・シュルツェ、ハンス・ルドルフ・レーズィング、ハインリッヒ・ブライヒロート、一等航海士のラインハルト・ズーレン、二等航海士のオットー・イテス、機関長のエーリッヒ・ズュルン、操舵手のホルスト・ホフマンの7名の元乗組員は、その勇敢な行動により騎士鉄十字章を受章しています。

U-48は、終戦間際の1945年5月3日に、進軍してくる連合国軍の手に渡ることを避けるため、ノイシュタット沖で乗組員によって自沈しました。その残骸は現在もバルト海の海底に沈んでいます。

主な哨戒

第1哨戒 (1939年8月19日～9月17日)

U-48は、第二次世界大戦勃発前の1939年8月19日に母港キールを出発し、30日間の航海に出ました。イギリス諸島の北を航行し、北大西洋に入り、最終的にビスケー湾に到達。イギリスとフランスがドイツに宣戦布告した2日後には、ウェスタンアプローチの西で哨戒を開始しました。そこで最初の目標である4,853トンの貨物船ロイヤル・セプターを発見し、1939年9月5日に艦載砲で攻撃しました。ロイヤル・セプターの乗組員は救命ボートに乗り移りましたが、無線士官は「SOS」を送信し続けました。シュルツェはこの無線士官を捕虜としましたが、彼の勇気を称賛し、救命ボートに解放しました。彼は救命ボートに食糧と水が用意されていることを確認しました。その後、U-48はブラウニングを停止させましたが、ブラウニングはブラジルに向かう途中であったため、ロイヤル・セプターの乗組員が生き延びていることにすぐには気付きませんでした。

U-48はその後も哨戒を続け、9月8日にはウィンクルリーに遭遇し、乗組員が救命ボートに乗り移った後、撃沈する前に数隻の中立国船を停止、捜索、解放しました。9月11日にはファービィを撃沈。沈没後、乗組員の何人かは治療が必要となりました。U-48は救命ボートに必需品を提供し、医療支援を行い、無線連絡を行いました。

30日間の航海の後、U-48は1939年9月17日にキールに帰還しました。第1哨戒中、U-48は3隻の船、合計14,777トンを撃沈しました。

第2哨戒(1939年10月4～25日)

U-48は第2哨戒でさらに成功しました。10月4日にキールを出発し、U-48は前回の航海と同じ航路を進みました。 第2哨戒中、U-48は10月12日にフランスのタンカー、エミール・ミゲ、10月13日にヘロンスプールとルイジアン、10月14日にスニートン、10月17日にクラン・シチョルムの合計5隻の敵船を撃沈しました。クラン・シチョルムの沈没後、U-48は10月19日午後1時32分にイギリス蒸気船ロックプールを艦載砲で攻撃しました。しかし、蒸気船は反撃しました。被弾を避けるため、U-48は急速潜航しました。U-48がその後再浮上し、蒸気船の撃沈を試みた時、連合軍の駆逐艦がこの交戦に遭遇しました。U-48はロックプールとの戦闘を中断し、水中に隠れこの海域を離れました。海上で22日間過ごし、5隻の敵商船合計37,153トンを撃沈し、ロックプールとの交戦後、1939年10月25日にU-48は安全なキールに帰還しました。

その後の哨戒

U-48はその後も数々の哨戒を行い、多くの連合国船舶を撃沈しました。しかし、1941年になると、連合国側の対潜能力が向上し、U-48は旧式化し始めました。そのため、U-48は第一線から退き、訓練任務に就くことになりました。

退役と最後

1941年6月22日、U-48はキールに帰還し、乗組員は下船し、バルト海のみで活動する訓練船団に移籍しました。1943年には訓練艦としても不適格と判断され、少数の整備員とともにノイシュタット・イン・ホルシュタインに配置されました。そして、1945年5月3日、U-48は連合国軍の手に渡ることを避けるため、リューベック湾で自沈しました。

U-48の戦果

U-48は、その短い就役期間中に、合計52隻、306,874総トンの船舶を撃沈し、VIIB型Uボートの中でもっとも大きな戦果を挙げました。この戦果は、U-48の乗組員の熟練度と勇敢さを示すものと言えるでしょう。

まとめ

U-48は、第二次世界大戦において、ドイツ海軍のUボート戦力を代表する存在でした。その戦果は、大西洋の戦いにおいて連合国側に大きな脅威を与えました。しかし、U-48もまた、戦争の激化とともに旧式化し、最後は自沈という悲劇的な結末を迎えました。U-48の生涯は、第二次世界大戦におけるUボート戦の光と影を象徴していると言えるでしょう。

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