U5型潜水艦

U5型潜水艦：ドイツ帝国海軍の潜水艦

U5型潜水艦は、ドイツ帝国海軍が第一次世界大戦中に運用した潜水艦の艦級です。U3型潜水艦の後継艦として開発され、U5、U6、U7、U8の4隻が建造されました。設計は海軍設計局とドイッチェヴェルフト社がそれぞれ行いましたが、U5型はドイッチェヴェルフト社が担当しました。

開発の背景と特徴

U3型潜水艦からの改良点として、U5型は大型化され、燃料搭載量が増加したことで航続距離が延伸されました。しかし、武装面においてはU3型と大きな差は見られませんでした。同時期に開発されたU9型潜水艦と比較すると、機関や電動機に違いはあるものの、全体的な性能には大きな差はなかったとされています。

主要諸元

全長: 57.30m
全幅: 5.60m
喫水: 3.55m
排水量 (水上/水中): 505トン/630トン
速度 (水上/水中): 13.4ノット/10.2ノット
水上航続距離: 1,900海里 (13.0ノット時)
水中航続距離: 80海里 (5.0ノット時)
兵装: 45cm魚雷発射管×4 (艦首×2、艦尾×2)、魚雷×6
乗員: 29名

第一次世界大戦での活動と損失

U5型潜水艦は第一次世界大戦において、その全てが撃沈されるという憂き目に遭いました。しかし、U6とU8はそれぞれ商船を撃沈または鹵獲する戦果を挙げており、Uボート戦力の一翼を担っていたことが伺えます。

まとめ

U5型潜水艦は、第一次世界大戦初期のドイツ帝国海軍において、Uボート戦力を構成する重要な一角でした。U3型からの発展型として航続距離を延伸し、U9型と同程度の性能を有していましたが、大戦中に全艦が失われるという結果となりました。しかし、その活動は当時の潜水艦戦術や技術発展の一端を示すものとして、記憶されるべきでしょう。

参考文献

デヴィッド・ミラー著 （2001年）岩重多四郎訳『Uボート総覧 図で見る「深淵の刺客たち」発達史』 大日本絵画 ISBN 4499227526

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