UC100W

UNICORN 15th Album『UC100W』解説

UNICORNの15枚目のオリジナルアルバム『UC100W』（UCひゃくワット）は、2019年10月2日にキューンミュージックから発売されました。前作『UC100V』の制作後、バンドとしての余力と、2019年のライブツアーの中断期間を利用して、急遽制作が決定したアルバムです。

初回生産限定盤(CD+DVD)、通常盤(CD)、完全生産限定アナログ盤の3形態でリリース。全収録曲のタイトルにアルファベットを必ず使用するという制約のもと制作された点が特徴で、先行シングル「でんでん」も「DENDEN」と表記を変更しています。

収録曲について

1. M&W
モジュラーシンセサイザーのノイズとエフェクト処理されたボーカルが印象的な前半から、サビ終わりで一転してバンドサウンドへと変化する、展開の妙が光る楽曲。サウンドの変化を、文字の上下が逆になる「M&W」というタイトルで表現しています。

2. チラーRhythm
9月9日に先行配信された楽曲。1970年代のディスコミュージックを強く意識しており、奥田民生からABEDONへシンセサイザーの音色に関するリクエストがあったとのこと。ライブでの定番曲となっています。

3. That's Life
作者の手島いさむが「この年齢になって、"That's Life"(それが人生)ということが言えるようになった」という境地を表現した楽曲。曲が進むにつれてBPMが速くなり、エンディングではEBIによる「早回しかいっ!」という台詞が収録されています。

4. TYT
泣き顔の顔文字を表すタイトルであり、EBIの亡くなった従兄弟のイニシャルでもあります。ABEDONは、メロトロンを演奏する際、キング・クリムゾンのアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』のジャケットをイメージしたとのことです。

5. 4EAE
タイトルの読み方は「フォー・イー・エー・イー」。「FOREVER AND EVER」の意味が込められています。ABEDONのデモを聴いた川西幸一が、歌詞のイメージがすぐに浮かんだことから作詞を志願。ABEDONのボーカルの歌い回しにもディレクションを行っています。

6. BLUES
仮タイトルは「川西のブルース」。歌詞は、当時還暦を迎える川西幸一の心境が綴られています。レコーディングでは手島いさむはギターを弾いていませんが、ライブではサイドギターを担当。1991年にリリースされた「ブルース」とは全く別の楽曲です。

7. GoodTimeバレンタイン
当初ABEDONがドラム演奏を考えていましたが、「ドラムを叩きながら歌う曲が欲しい」という川西幸一の意向により、川西がドラムも担当することになりました。

8. 7th Ave.
タイトルの読み方は「セブンスアベニュー」。朝日放送テレビ『相席食堂』のテーマソングとして使用されています。

9. Lake Placid Blue
EBIの愛用するフェンダー・プレシジョン・ベースをテーマにした楽曲です。

10. D-D-D-, Z-Z-Z-
タイトルの読み方は「ディーディーディー、ズィーズィーズィー」。変拍子が盛り込まれた楽曲で、演奏中にメンバーがコードが分からなくなることから、ABEDONがコードを「D、D、D、」などと指示しながら作業が進んだことが歌詞の由来となっています。

11. DENDEN (Album Version)
映画『引っ越し大名!』の主題歌。当初は前作『UC100V』に収録予定でしたが、今作に収録されました。

アルバム全体を通して、UNICORNの音楽的な多様性と遊び心が存分に発揮された作品と言えるでしょう。

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